JRA日経新春杯(G2)「逆風」武豊アドマイヤビルゴ大ピンチ!? クリア不可避な今年の難題…… 最有力馬から危険な人気馬に転落危機
17日、中京競馬場で行われる日経新春杯(G2)は、今年の古馬重賞戦線で活躍が期待される楽しみなメンバーが揃った。
なかでも最も注目が集まるのは武豊騎手がコンビを組むアドマイヤビルゴ(牡4、栗東・友道康夫厩舎)だろう。同馬は2017年のセレクトセールで6億円超(税込)で落札された超高額馬。武豊騎手と確執があったとされる故・近藤利一さんから託された”忘れ形見”ともいえる存在だ。
敗れたのは新型コロナウイルスによる騎手の移動制限のため、藤岡康太騎手に乗り替わった昨年の京都新聞杯(G2)のみ。武豊騎手とのコンビでは4戦全勝と好相性。前走のアンドロメダS(OP)も単勝1.8倍の断然人気に応えて快勝している。
今年の日経新春杯が行われる舞台である中京競馬場も2走前にムーンライトハンデ(3勝クラス)で経験済み。陣営としても春の目標に掲げる大阪杯(G1)へ向け、初重賞勝ちを決めたいところだろう。
しかし、そんなアドマイヤビルゴ陣営にとって予期せぬ逆風が吹いていることも見逃せない。
それは例年なら京都開催の日経新春杯が改修工事の影響により、今年は中京競馬場で開催となることである。2走前に快勝した舞台と同じだけに、これといって問題がないようにも思える。だが、当時の馬場状態と現在の馬場状態には大きな変化が見られている。
サンプル数としてはまだ3日間と少ないが、以下は中京競馬場で行われた芝条件のレースの勝ち馬とその馬体重である。※芝2000m以上
■レース名、馬名、馬体重
寿S、ツーエムアロンソ、550
未勝利、マイプレシャス、494
渥美特別、ジョディー、498
未勝利、ノースザワールド、472
万葉S、ナムラドノヴァン、494
1勝クラス、タガノカイ、510
新馬、エアサージュ、504
年始の中京で顕著だったのは好走馬に大型馬が多数いたことだ。全体的にも切れ味を活かすタイプが伸びを欠き、積極的なポジション取りをした馬が優勢だった。
「昨年の馬場と傾向が全く異なっている印象です。時計も掛かっていますし、完全に力のいる馬場状態といえる状況です。先行馬が前残りで穴を開けることも珍しくありませんでした。
これだけ馬場が重かったことも、パワータイプの大型馬が小柄な馬を圧倒した背景にあるように思えます。例年ならこの時期の京都は軽くて時計の出る傾向だっただけに、真逆の傾向となっていますね」(競馬記者)
単勝万馬券の14番人気で激走が4億8178万というWIN5史上最高額の立役者となったツーエムアロンソ。この馬は出走馬中で最高の550キロで、2番目に重かったシャレードが508キロだったことを考えると抜けて大きかった。
勿論、これだけが好走理由とは限らない。しかし、大型馬のパワーが力のいる馬場で他馬より有利だった可能性も捨て切れない。
対するアドマイヤビルゴは、前走を432キロで出走した小柄な馬。馬体重が中京コース好走のカギを握っているとすれば、切れが持ち味の小型馬としては、歓迎できない材料となり得るかもしれない。