JRA武豊「16年前」腰痛明けの重賞連勝劇。ダート王のげんを担いで、日経新春杯(G2)アドマイヤビルゴ重賞制覇に一歩前進!?

 17日、中京競馬場では関西圏唯一のハンデG2・日経新春杯が開催される。

 ヴェロックスとの“2強”を形成するのが、セレクトセール6億円超の高額馬、アドマイヤビルゴ(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。デビューは1年前の1月19日。デビュー戦で素質の一端を見せ快勝すると、その後は間隔を空けながら大事に使われてきた。

 現在5戦4勝のアドマイヤビルゴ。唯一の敗戦(4着)がこれまでで唯一の重賞挑戦となった昨年5月の京都新聞杯(G2)だ。その時はコロナ禍における騎手の東西移動制限があって、藤岡康太騎手が手綱を取った。初黒星を喫した後、陣営は夏を休養に充て、菊花賞(G1)には目もくれず、準オープンとリステッド競走を連勝。“6億円ホース”が満を持して2度目の重賞に挑む。

 いずれはG1を獲れる逸材ともいわれるアドマイヤビルゴだが、ここを勝てば4月の大阪杯(G1)も視界に入ってくるかもしれない。12日には、注目のハンデが発表され、斤量は56kgに決まった。リステッド競走を2勝しているとはいえ、重賞では4着が最高。この斤量は随分見込まれた印象だ。馬体重が430kg台という小柄なアドマイヤビルゴにとって、まさに試金石の一戦となるだろう。

 手綱を取るのはコンビ4戦4勝の武豊騎手だ。5日の金杯デーには3勝を挙げ、リーディング首位という好発進を見せた武騎手。ところが、9~11日の3日間開催は、突発性腰痛に見舞われたため、すべての騎乗予定をキャンセルした。

「突発性腰痛というのはいわゆる『ぎっくり腰』のことですが、武騎手は以前にもぎっくり腰で騎乗を取りやめたことがあります。それは2005年7月10日のことでした。阪神競馬場で最初のレースに騎乗した後、ぎっくり腰を発症。その後の騎乗をすべてキャンセルしました。

この時は驚異の回復力で、3日後には大井競馬でJDD(G1)に騎乗。見事、カネヒキリを優勝に導いています。さらに1週間後には北九州記念(G3)を制覇。当時36歳というまさに脂の乗り切った時期で、その年は自己ベストの年間212勝、G1・6勝を含む重賞23勝をマークしました」(競馬誌ライター)

 16年前はぎっくり腰をも味方につけた武騎手。しかし、現在51歳を迎え、当時と同じような回復力を期待するのは非現実的かもしれない。

 今回は「3~5日の安静が必要」と診断され、週末の騎乗に全く影響が出ないというわけにはいかないだろう。それでもオフィシャルサイトの日記には「来週の騎乗には支障が出ないということなので、しっかり治してまいります」(8日付)と復帰への強い思いを綴っている。

 51歳のレジェンドは、16年前と同じようにぎっくり腰を力に変え、重賞制覇で復活を果たしてくれるのだろうか。

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