JRAコントレイルと人気を分け合った期待馬が「ダート」「短距離」転向!? 中内田厩舎が行った「奇策」と異なる点が謎を深める……
陣営の狙いは何だろうか……。
昨年の日本ダービー(G1)以来の復帰となるアルジャンナ(牡4歳、栗東・池江泰寿厩舎)の次走が注目を集めている。
2017年のセレクトセールにて総額1億8360万円で取引されたアルジャンナ。デビュー戦は単勝1.1倍の圧倒的な支持に応えて快勝した。次走の東京スポーツ杯2歳S(G3)はコントレイルが1番人気で2.5倍、アルジャンナが2番人気で3.0倍と人気を分け合った。だが、結果は5馬身差の完敗に終わった。
その後、コントレイルがスターダムを駆け上がったのとは対照的に、アルジャンナは苦難の道を歩むこととなる。
きさらぎ賞(G3)は単勝1.5倍の1番人気に支持されるも3着に敗れ、毎日杯(G3)でも1番人気に応えられず2着に惜敗。そして日本ダービーでは最下位の18着に敗れた。コントレイルとのタイム差は東京スポーツ杯2歳Sの0秒8から2秒2まで開くという散々な結果である。
その後、アルジャンナは膝の手術を行い、年内を休養に充てることが発表された。昨年は精彩を欠く1年となったが、今年は巻き返しが期待される。前走以外は馬券圏内に好走しているため、まだ見限るのは早いだろう。
5日に帰厩したアルジャンナは2月13日に阪神競馬場で行われる洛陽S(L・芝1600m)を始動戦に予定していることが発表された。だが、今週末の3レースに登録を行ったことで、いったいどのレースに出走するのか混乱を招いている。
登録を行ったのは以下のレースだ。
16日 中山 カーバンクルS(OP) 芝1200m
17日 中山 ジャニュアリーS(OP) ダート1200m
17日 小倉 門司S(OP) ダート1700m
これまで芝の王道路線を歩んでいただけに、日本ダービーから距離半減となる短距離戦、さらにはダート戦という意外なレースに登録しているのは驚きである。当初の予定通り、洛陽Sに向かうのか、それとも叩きとして今週末のレースに出走するのか気になるところだ。
「洛陽Sはハンデ戦なので、もしかするとハンデ確認のために登録した可能性があります。カーバンクルSはハンデ戦で、アルジャンナは55キロという斤量が発表されました。洛陽Sを想定する上で、陣営が知っておきたかったのかもしれません。
昨年も短距離重賞のシルクロードS(G3)に中内田充正厩舎のヴェロックスが登録を行うということがありました。結局、出走することはなく予定通りに小倉大賞典(G3)に向かいました。これもハンデ確認だったと言われています。
ただ、カーバンクルS以外にもダートの別定戦に登録をしていることは気になりますが……」(競馬記者)
ハンデ確認のためということであれば、たしかに合点がいく。だが、ジャニュアリーSと門司Sの登録は腑に落ちない。
アルジャンナは予定通り洛陽Sに向かうのか、それとも新たな分野に挑戦することになるのか……。今週末の出否に注目が集まる。