JRA京成杯(G3)ヴァイスメテオール「勝率0%」血統には逆らえない!? 父キングカメハメハが唯一敗れた舞台で、キングヘイローの血も騒ぎ出すか……

 17日には、今年最初の3歳馬による中距離重賞、京成杯(G3)が中山競馬場で開催される。

 重賞ウイナー不在となった今年の京成杯。1戦1勝ながら、『netkeiba.com』の予想オッズで15倍台の5番人気に支持されているのがヴァイスメテオール(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。

 デビュー戦は昨年10月東京芝1800mの一戦。稍重馬場も味方につけ、2番手追走から後続の追撃を抑え込んだ。2戦続けて手綱を取る丸山元気騎手はレース後、「まだ体がしっかりしていない中で、これだけのパフォーマンスができるのですから、素晴らしいです」と話しており、1度使った上積みも見込めそうだ。

 血統的にも力の要る中山の馬場を味方につけられるだろう。母は5歳時にマーメイドS(G3)を勝ったシャトーブランシュで、近親には短距離を得意とするサクラバクシンオー産駒ながら障害G1を2勝したブランディスがいる。母系はどちらかというとパワー・スタミナ寄りといえるだろう。

 一方、ヴァイスメテオールにとって不安なのが、父キングカメハメハという点だ。ディープインパクトとともに一時代を築いた大種牡馬だが、8戦7勝の戦績を残した現役時代に唯一の敗戦を喫したのが京成杯だった。当時、短期免許で来日していたD.バルジュー騎手を背に1番人気に支持されたキングカメハメハだったが、フォーカルポイントから0秒8離され、3着に敗れた。

 キングカメハメハはその後、皐月賞(G1)をパスして、府中のNHKマイルC(G1)と日本ダービー(G1)で変則2冠を達成。当時、陣営が中山は「不向き」という判断を下したのは有名な話だ。

 キングカメハメハが唯一敗れた京成杯。実は、種牡馬としても未勝利である。その産駒はこれまで12頭が出走してきたが、成績は「0-4-2-6」。2着は4回、3着も2回あるが、勝ち切れていない。

 京成杯で複勝率50%を誇るキングカメハメハ産駒。たとえ勝てなくても好走は期待できそうだが、馬券圏内も厳しいかもしれない。

 その理由が母系の血統にある。京成杯に出走したキングカメハメハ産駒12頭の母の父を系統別に分けたときの成績は以下の通りだ。

・サンデーサイレンス系【0-3-1-4】
・ノーザンダンサー系【0-0-0-2】
・その他【0-1-1-0】

 サンデーサイレンス系、ノーザンダンサー系、そしてそれ以外の3つに分けたが、母父ノーザンダンサー系の2頭はともに着外に沈んでいる。ヴァイスメテオールの母父はキングヘイローなので、さかのぼるとノーザンダンサーにたどり着く。

 また、「キングカメハメハ×ノーザンダンサー系」は、京成杯だけでなく、中山芝の中長距離(1800m以上)自体を苦手にしている。特に重賞では【0-0-0-18】と一度も馬券になっていないという深刻な成績だ。

 先週のシンザン記念(G3)を制したピクシーナイトも母の父がキングヘイローだったが、今週のヴァイスメテオールにとってはその血が“マイナス要因”になってしまうかもしれない。

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