JRA川田将雅「なぜここまで負けるのか」……ヴェロックス惨敗で「泥沼」31戦1勝。不振の象徴は意外なところにも!?
「なぜここまで負けるのか」……。
17日に中京競馬場で行われた日経新春杯(G2)。2番人気で9着に敗れたヴェロックスの鞍上・川田将雅騎手はレース後、そうコメントを残した。
「勝ち馬の内で、これだけリズム良く競馬をして、なぜここまで負けるのか」とはヴェロックスに対する言葉だが、同時に自身への問いかけだったのかもしれない。なぜなら、この日の最終レースを終えて、川田騎手は今年、31戦1勝という大不振に陥っているからだ。
実は、昨年末の有馬記念(G1)の日から不調の兆しはあった。前日の12月26日にはダノンザキッドでホープフルS(G1)を制覇。グレナディアガーズで制した朝日杯FS(G1)から2週連続でG1タイトルを獲得し、まさに波に乗っていた、かに見えた。
しかし、川田騎手は有馬記念でオーソリティに騎乗し、14着に大敗。その直後の最終レース「ハッピーエンドC(2勝クラス)」でも1番人気を裏切り、11着に敗れていた。
年が明けて、気分も一新。昨年は19勝挙げた「1月」に勝ち鞍量産を目論んだが、2021年は出だしで躓いてしまう。
「川田騎手は当初、中山金杯(G3)で、昨年の皐月賞(G1)3着馬ガロアクリークに騎乗する予定でした。しかし、同馬が中山金杯を回避し、その日は僅か3鞍の騎乗で未勝利。結果的に、中山遠征は空振りに終わってしまいました。
その後、今月9~11日の3日間開催は中京で計15鞍に騎乗しましたが、2着と3着が1度ずつあっただけ。2ケタ着順が6度を数えるなど、開催4日間を終えてもなお未勝利という不調でした。もともと中京競馬場はあまり得意とはしていませんが、ファンから心配の声が上がったのは当然のことでしょう」(競馬誌ライター)
そんな川田騎手がようやく今年初勝利を飾ったのが、17日(日)中京5レースの未勝利戦。年始から数えること27戦目での白星だった。
しかし、勢いは続かない。17日は、その後4鞍に騎乗したが、2着2回で今年1勝のままだ。
「気分的に1つ勝ったことは大きいと思いますが、その後の騎乗を見ても、復調の兆しは感じられませんでしたね。復活を期したヴェロックスも9着に敗れ、人馬とも出口の見えないトンネルに入った状態です。
クラシック3冠で好走してきたヴェロックスは、1年前の小倉大賞典(G3)で惨敗後、完全に歯車が狂ってしまいましたね。一方、川田騎手は馬の質が落ちたというわけではないので、徐々に復調していくとは思いますが、きっかけが欲しいですね」(同)
ヴェロックスは大敗を喫したが、その直後、中山競馬場の京成杯(G3)では6番人気のテンバガーが3着に好走した。実はこの馬は、川田騎手とのコンビで未勝利勝ちを収めていた。ヴェロックスのレース選択次第では、川田騎手が騎乗していた可能性もあっただけに、こんなところにも悪い流れが影響を及ぼしたのかもしれない。