JRA松山弘平「重賞回避」小倉惨敗がリーディング死守の決め手に……。不安を抱えたローカル参戦が結果的には「大正解」!?
まさかの惨敗も、結果的には好判断だったかもしれない。
17日、小倉競馬場で行われた門司S(OP・ダート1700m)は3番人気ソリストサンダーが優勝。その一方、松山弘平騎手が手綱を取ったペオースは12着に惨敗した。
単勝オッズは1番人気ペオースが2.3倍、2番人気サトノギャロスが3.8倍、3番人気ソリストサンダーが3.9倍で上位を形成。4番人気が18.6倍と大きく離れていることから、3強ムードという下馬評だったことがわかる。
結果的に3番人気馬が勝利し、2番人気馬も3着に入り体裁を保ったが、ペオースだけが人気を大きく裏切ることになった。
松山騎手とのコンビで3連勝を挙げ、オープン入りを果たしたペオース。すべて3番手以内の位置取りから勝利を挙げているということもあり、門司Sも積極的にポジションを取りに行った。
しかし、これがアダとなった。
レースはキメラヴェリテがハナを主張し、2頭が激しく競り合う展開。前半に刻んだラップは7.1-10.7-11.0-12.0-12.4と、かなり速い流れになったことで2頭は共倒れとなってしまった。
これが敗因に挙げられるが、実はレース前から松山騎手には不安があったようだ。
『中日スポーツ』の連載コラムで、ペオースについて「2週続けて追い切りに乗っていますが、正直、調教時計が今ひとつ。小倉の1700mは合っていると思うので、地力とコース適性の高さで克服してくれることを期待しています」と語っていた。つまり、万全な状態での出走ではなかった可能性も否定できない。
「松山騎手はペオースに騎乗するため、日曜日は小倉開催に参戦したと見られています。もしそうなら京成杯(G3)のタイソウ、日経新春杯(G2)のレクセランスと、前走で騎乗した馬の重賞を蹴ってまでペオースを選んだということになります。特に、タイソウは3番人気に支持された有力馬だったので、後ろ髪を引かれる思いだったのではないでしょうか。
ただ、結果的には全馬大敗しているので、結果オーライかもしれません。メインレース以外で2勝挙げたという点で、むしろ小倉で騎乗したことは正解だったかもしれませんね」(競馬記者)
現在、松山騎手は11勝でリーディングトップ。だが、5日の開催を“正月休み”で騎乗しなかったC.ルメール騎手が早くも10勝まで迫っている。
そのルメール騎手は日曜日の中山で4勝と大暴れ。日曜日の中山・中京開催には松山騎手が前走で手綱を取った馬が5頭出走して、1勝に終わっている。それを考えれば、小倉で2勝を挙げたことは大きいはずだ。もし、松山騎手がタイソウの騎乗を選択して中山参戦していれば2勝できた確証はなく、場合によってはリーディングを陥落していた可能性もあるだろう。
昨年、デアリングタクトで牝馬3冠を達成し、キャリアハイの127勝を挙げた期待の若手は、判断が冴えわたっていることも好調の要因かもしれない。