JRAアリストテレスAJCC(G2)「鉄板説」に異議あり!? コントレイルのライバルに意外なマイナス材料……低レベル世代に早くも怪しい兆候
24日、中山競馬場で行われるAJCC(G2)には、4歳トップクラスの馬が4頭出走を予定している。牝馬は昨年のオークス2着、エリザベス女王杯(G1)4着のウインマリリン、牡馬は昨年の菊花賞2着アリストテレス、3着サトノフラッグ、7着ヴェルトライゼンデと、なかなかの豪華メンバーが揃った。
なかでも最も注目度が高いのが菊花賞で無敗の三冠を達成したコントレイル相手にあわや大金星かというクビ差まで追いつめたアリストテレス(牡4、栗東・音無秀孝厩舎)だろう。鞍上に昨年の騎手リーディングを独走したC.ルメールを配し、万全の態勢で今年の始動戦を迎える。
史上初となる芝9冠馬の栄誉に輝いたアーモンドアイがターフを去り、今年も有力なお手馬となるはずだったフィエールマンも故障により引退を余儀なくされた。
昨年のJRA・G1で自己最多タイとなる8勝を挙げたとはいえ、うち6勝を稼いだ馬が引退した。現役を続行するのはグランアレグリアのみとなるため、ルメール騎手としても新たなG1パートナーの獲得は急務といえるだろう。
それだけにAJCCでコンビを組むアリストテレスでしっかりと勝利を収めておきたいところだが、そう簡単にはいかなさそうな雰囲気があることも確かだ。
どうも菊花賞からこのレースを始動戦に選択した馬の成績が思わしくないのである。サンプル数こそ少ないものの、過去10年で【0.2.0.3/5】と未勝利。20年まで遡ってみても【0.4.0.4/8】と2着まではあっても1着はない。
4歳世代全体を見渡してみても【2.8.4.25/39】と勝率にして約5%と不振を極めている。ちなみに2勝の内訳は18年のダンビュライトと07年のマツリダゴッホで、いずれも3勝クラスを勝ち上がった勢いでの勝利だった。
アリストテレスにとってさらに減点があるとすれば、それは心強いパートナーであるはずのルメール騎手だ。関東で騎乗することも多いルメール騎手は、中山競馬場を大の得意としている。
だが、芝2000mは【31.15.10.27/83】で勝率37.3%と驚異的な勝率を誇っているのに対し、芝2200mとなると【5.8.2.13/28】で勝率17.9%と半分以下にまで急激に落ち込む(2015年4.4から2020年12.27が対象)。
顕著なのは1着と2着の数の逆転現象だ。2着が1着を上回っているように、勝ち切れていない。そしてAJCCは苦手としているこの芝2200m条件に合致する。