JRA矢作調教師が「有言実行」!? DeNA三浦大輔監督「感謝の気持ちでいっぱい」リーゼントじゃない“乙女”がサプライズ
久々の勝利の裏には意外なエピソードが……。
24日、中京5Rの未勝利戦はマリーナ(牝3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が優勝した。鞍上の坂井瑠星騎手は自厩舎の管理馬で嬉しい今年初勝利を挙げることとなった。
だが、それ以上に喜んでいるのが三浦大輔オーナーだろう。
プロ野球と馬主の二足のわらじを履く三浦オーナー。現役時代はリーゼントヘアーをトレードマークに「ハマの番長」の愛称で親しまれた。引退後は横浜DeNAベイスターズの球団スペシャルアドバイザーに就任し、19年は一軍投手コーチ、20年は二軍監督、そして今年から一軍監督を務めることになった。
中央競馬の馬主としては11年にリーゼントブルースが武豊騎手を背にデビュー。その後、18年の大沼S(OP)を制したリーゼントロックが通算獲得賞金1億6000万円超えの活躍をして、馬主としても成功を収めている。
プロ野球選手のオーナーといえば、ベイスターズの先輩で「大魔神」として名を馳せた佐々木主浩オーナーが有名だ。シュヴァルグラン、ヴィルシーナでG1制覇するなど、大成功を収めている。同オーナーの管理馬の多くは友道康夫厩舎に預けられており、名コンビとして知られている。
その一方、7頭のサラブレッドを所有してきた三浦オーナーだが、そのうち5頭は矢作厩舎に預託。こちらも蜜月関係にあると言えるだろう。
今月、そんな2人の対談が『日刊スポーツ』で実現した。詳細については本記事をご確認いただきたいのだが、その中で三浦オーナーは「うちの馬はどうでしょうか。しばらく勝利から遠ざかっているんで……」と問いかけた。
この裏には、2年間も所有馬が未勝利に終わっているということに加えて、野球のオフシーズンにしか口取りに参加できないという事情もある。口取りに限って言えば、黒竹賞(1勝クラス)を制したリーゼントロックから丸7年も遠ざかっているのだ。
これに対して矢作調教師は「番長の馬は冬場に強い馬にしないといけないですね。12月、1月はフル稼働できるように頑張ります。ぜひ口取りができるようにと思っています」と力強い返答をした。
それからすぐにマリーナが優勝。さすが2年連続でリーディングトレーナーに輝いた名伯楽は有言実行だった。
だが、現在は無観客開催により馬主すら競馬場に入場ができないため、口取りは実現しなかった。
当日、三浦オーナーは午前中にDeNAベイスターズの2軍施設「DOCK」で新人自主トレを視察。球団の将来を左右するホープの状態を確認した後に、所有馬である3歳の“乙女”から勝利というサプライズがプレゼントされた。
「初勝利大変うれしく思います。関係者の皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです」
球団を通じて発表されたコメントからも喜びが滲み出ており、キャンプインを前にいい知らせとなったようだ。
三浦オーナーといえば「リーゼント」の冠名で有名だが、マリーナだけ唯一冠名がついていない。港町・横浜から連想されたネーミングと考えられるだけに、23年ぶりの優勝を目指す横浜DeNAベイスターズにとっても、この勝利は後押しとなると思いたいところである。