JRA東京新聞杯(G3)「初マイル」で一変はヴェロックスではなくアノ馬!? 陣営の周到な「計画」と鞍上の意気込みが大波乱演出も
7日、東京競馬場で行われる今年の東京新聞杯(G3)は、昨年のマイルCS(G1)6着馬で同条件の富士S(G2)勝ちがあるヴァンドギャルドが一歩抜けた人気を集めそうだが、それ以下は大混戦になりそうだ。
そんな中、初のマイル戦に挑むヴェロックスが注目を集めているが、同じく初マイルで一発を狙う馬がいる。重賞2勝馬のニシノデイジー(牡5歳、美浦・高木登厩舎)だ。
2歳時には札幌2歳S(G3)と東京スポーツ杯2歳S(G3)を連勝。年末のホープフルS(G1)で3着するなどクラシック候補に名を連ねたニシノデイジー。しかし、そこから約2年以上も勝ち星に見放され、前走も函館記念(G3)で13着と“終わった感”すら感じられてしまう。
だが、陣営のマイル挑戦は決して苦し紛れの選択ではなさそうだ。
「昨夏の函館記念で大敗したニシノデイジーですが、かなり疲れがたまっていたようです。そこで陣営はリフレッシュ放牧に出し、かなり早い段階から2月の東京新聞杯に挑戦する意向を固めていたようです。
今回が初マイルになりますが、もともとは1800mの重賞を連勝していた馬。サンデー系を母に持つハービンジャー産駒はペルシアンナイトを筆頭に2000m以下で良績がありますし、ここで一変があっても驚けないですね」(競馬記者)
そんな実績馬の新たな挑戦に、いつも以上に燃えている男がいる。帰ってきた主戦・勝浦正樹騎手だ。
ニシノデイジーとのコンビで重賞2勝を挙げるなどクラシックを戦った勝浦騎手。しかし、セントライト記念(G2)の敗戦を機に無念の主戦降板……。菊花賞(G1)はC.ルメール騎手が騎乗し、それ以降も田辺裕信騎手が手綱を執っていた。
勝浦騎手に再びチャンスが訪れたのが前走の函館記念だったが、馬が本調子になったこともあって13着に大敗。東京新聞杯までの休養が決まったものの、鞍上は再び未定となっていた。
「昨年10月に取材した際、東京新聞杯の鞍上について『じゃあ、勝浦で(笑)』と話していた西山茂行オーナーですが、正式にオファーしたのは昨年の12月だったとか。勝浦騎手もニシノデイジーに懸ける思いは強いでしょうし、期するものがあると思いますよ」(別の記者)
実は、その模様が西山オーナーのブログに記載されている。詳細はブログをご覧いただきたいが、昨年12月に西山オーナーが勝浦騎手に電話した際「東京新聞杯の日は戻ってきますよ」と、すでに乗る気満々だったようだ。
「1月に小倉競馬が開幕してから、ずっと小倉で集中的に騎乗し続けている勝浦騎手ですが、ニシノデイジーが出走する東京新聞杯の日は、前日まで小倉で騎乗して東京に移動するそうです。
これだけを見ても勝浦騎手の“熱量”がわかりますし、西山オーナーもブログで『言葉の中にも力の入る勝浦騎手の気持ちが伝わってきました』と話していましたね。あまり注目されていないニシノデイジーですが、東京コースは得意ですし楽しみな存在です」(同)
『netkeiba.com』による事前予想では13番人気の低評価に甘んじているニシノデイジーだが、高木調教師も『フレッシュな状態で臨めそう。ゲート裏までホライゾネットを着けて、レースでは外す予定』と話している通り、本気度は高い。
重賞2勝はメンバー最多、初のマイル挑戦で実績馬の復活があるかもしれない。