JRA 乗り替わりに不安の声も!? 浜中俊騎手、あの名馬の全弟で輝きを取り戻せるか
21日、小倉競馬場では伝統のハンデ重賞、第55回小倉大賞典(G3)が行われる。
昨年の勝ち馬カデナを筆頭に、前走中日新聞杯(G3)を快勝したボッケリーニ、福島記念(G3)の覇者バイオスパーク、函館記念(G3)優勝アドマイヤジャスタなど、重賞を制した馬達がズラリと顔を揃えた好メンバー。また、小倉競馬場で重賞勝利経験のあるデンコウアンジュは、今月一杯で引退する蛯名正義騎手を背に出走を予定しており、話題性も含め注目の一戦となりそうだ。
『netkeiba.com』の想定オッズでは17日現在、G1・2勝馬ラブリーデイを全兄に持つ良血馬、ボッケリーニ(牡5、栗東・池江泰寿厩舎)が1番人気に支持されている。
兄と同じように5歳になってからの本格化を期待している人も多いようだ。しかし、前走手綱をとった松山弘平騎手はフェブラリーS(G1)でエアアルマスに騎乗することとなり、ボッケリーニは浜中俊騎手が初めてコンビを組むこととなる。
浜中騎手といえば、ここ数年でめっきり影が薄くなってしまった騎手の一人ではないだろうか。
2012年、24歳という史上3番目の若さで全国リーディングを獲得し、一時は『ポスト武豊』との呼び声まで得た浜中騎手だが、2015年頃から徐々に数字を落とし、昨年はついにルーキーイヤーを除いてワーストとなる38勝まで勝ち星が減少してしまった。
特に一昨年はロジャーバローズで念願の日本ダービー(G1)を制覇したにもかかわらず、である。ダービージョッキーの称号を手にしたことをきっかけに飛躍を遂げる騎手も多いなか、怪我もあったとはいえ成績が下降し続けるというのは、ある意味で稀有な例と言えるかもしれない。
一方、松山騎手は昨年デアリングタクトとのコンビで牝馬三冠を制し、勝ち星は自身初の年間100勝を突破。昨年大きく飛躍した騎手の一人だ。今年に入ってからも勝ち星を量産し、全国リーディングではルメール騎手に次ぐ2位につけている。今回、松山騎手から浜中騎手へのスイッチに、「浜中じゃ勝負できんわ」「57キロ。鞍上は浜中。色んな意味でハンデが重い」といったファンからの不安な声もネット上で見受けられた。
「ミッキーアイルでの斜行や、2017年フィリーズレビュー後の『もういいでしょう』発言で地に落ちた浜中騎手のイメージですが、昨年も秋華賞の前々週に騎乗停止を受けると、騎乗予定だったマジックキャッスルが2着に激走するなど、相変わらずマイナスのイメージを拭えていない印象です。
しかし、今回はあのラブリーデイの全弟、さらには地元・小倉での重賞です。『中日スポーツ』のコラムでも『レースが楽しみ』と言っていましたし、モチベーションは相当高いはずですよ。あとはそのモチベーションが空回りしないことを祈るばかりです」(競馬記者)
浜中騎手といえば、かつてボッケリーニの兄ラブリーデイでも代打騎乗し、見事天皇賞・秋(G1)を制覇。全弟ボッケリーニで結果を出すことによって、再び輝くきっかけを掴むことはできるだろうか。