JRA阪急杯(G3)川田将雅ブチギレ怒声「ユーイチ!!」から1年……ダノンファンタジーVSレシステンシアは「鞍上」因縁対決?
28日、阪神競馬場では阪急杯(G3)が行われる。インディチャンプ、レシステンシアとともに3強の一角を形成するのがダノンファンタジー(牝5歳、栗東・中内田充正厩舎)だ。
3年前に阪神JF(G1)を制した2歳女王は、それ以降、G1制覇には届いていないが、前走の阪神CなどG2を3勝。前走と同じ阪神芝1400mで重賞通算6勝目を狙う。
24日には、栗東CWで川田将雅騎手を背に単走で追い切られ、4ハロン48秒2-12秒2の好時計をマーク。力強い動きを見届けた中内田調教師は「仕上がりはいつも通り良い状態で競馬に臨めると思います。先に高松宮記念がありますので、視野に入れた内容の競馬をしてくれれば、次が見えてくるんじゃないかなと思います」と自信をのぞかせた。
実績的にはインディチャンプとレシステンシアの実質3頭立てとも言われているこのレース。勝敗のカギを握るのは川田騎手だという。
「逃げるのは快速牝馬のレシステンシアで間違いないでしょう。それを見る形でダノンファンタジーが先行。そのすぐ後ろの中団グループにインディチャンプが続く展開になると思います。
ダノンファンタジーは3強の真ん中で競馬をすることになるでしょう。つまり、川田騎手の仕掛けのタイミングがレースの展開、ひいては結果を左右することになる可能性が高いです」(競馬誌ライター)
レシステンシアの鞍上が北村友一騎手という点も注目ポイントの一つなりそうだ。
「レシステンシアには前走(マイルCS)に続き北村友一騎手が騎乗します。そこで思い出されるのが昨年の阪急杯。フィアーノロマーノに騎乗した川田騎手とダイアトニックに騎乗した北村友騎手の間でひと悶着ありました。
問題の場面は、4角を回った直線に入った直後でした。ポッカリと開いた1頭分のスペースにこの2頭が突っ込んだのですが、前を行くダイアトニックが斜行する形で、フィアーノロマーノの進路を塞いでしまいました。川田騎手は立ちあがって手綱を引っ張る致命的な不利を受け、フィアーノロマーノが3位、ダイアトニックが2位に入線しましたが、長い審議の結果、ダイアトニックが3着降着、フィアーノロマーノは2着に繰り上がるという結末が待っていました」(同)
レース後には、川田騎手の猛抗議が裁決に影響したとも言われたが、真相は不明。そしてこのレースでクローズアップされたのが、各馬がゴール板を駆け抜けた直後に響き渡った「ユーイチ!!」という怒声だ。
声の主は川田騎手で、進路をふさいだ北村友騎手に向けられたものとみられる。奇しくもJRAではその週から無観客開催となり、通常なら歓声にかき消されたであろう怒号がテレビにも拾われてしまい、大きな話題となった。
あれから1年。今年も川田騎手と北村友騎手は有力馬に騎乗。前を行く北村友騎手を追いかける川田騎手という昨年と似た展開が予想される。
「もちろん両騎手とも、その後に何度も同じレースで戦っているので、特別意識することはないかもしれません。しかし、両騎手とも、昨年の残像があるはず。特に川田騎手は意識しすぎて、早仕掛けになってしまう可能性があるかもしれませんよ」(同)
後味の悪さが残ったあのレースから1年。昨年に続く無観客開催で、今年は川田騎手の“勝利の雄叫び”がこだまするのか。それとも北村友騎手が降着の悔しさを晴らすのか。2歳女王による初対決は鞍上の因縁の対決としても注目される。