武豊騎手と田中将大投手が本格対談!「今でも夢に見る」ディープインパクトとの凱旋門賞敗戦の借りを返すのは、やはりあの馬?
田中投手が語ったのは、24勝0敗という完璧な成績を収めた2013年の日本シリーズの第6戦で、先取点をもらいながら逆転負けを喫した一戦。対して、武豊騎手は2006年にディープインパクトと共に挑んだ凱旋門賞を取り上げた。
確かに、どちらもある意味”勝ってあたり前”の中での敗戦。当人だけでなくファンの記憶にも残っている一戦でもある。
だが、両者の敗戦には「大きな違い」があるように思えた。
田中投手の日本シリーズの敗戦は、確かに「その年初の敗戦投手」ということもありショッキングな内容だが、チームはその後の第7戦に勝って見事日本一に輝いている。つまり、多少なりとも傷は癒されており、本人の話の内容からもショックというよりも「教訓」のようなものに姿を変えている印象を受けた。
ただ、武豊騎手にとってのディープインパクトの凱旋門賞敗退は、まだ本人の中で確かな「借り」として残っているように感じた。
あれから10年が経った今でさえ「まだ夢に見る」と話す武豊騎手。4021勝16858敗(11月20日現在)という自身の通算記録を田中投手の通算成績と比較して「敗戦が多い」と笑いを誘っていた天才騎手。だが、それでもディープインパクトとの凱旋門賞敗退は特別なもののようだ。
我々競馬ファンから見ても当然だが、武豊騎手にとってもディープインパクトは「これ以上強い馬がいるのか」と発言したほど特別な存在だった。だからこそ凱旋門賞で敗れたショックは本当に大きかったのだろう。
しかし、武豊騎手が「もし、次にそういった馬に巡り合えたら、あの時の経験が活きる」と力強く話すバックには、スクリーンの中を駆けるキタサンブラックの姿が。
無論、狙った演出ではないだろう。だが、名指しこそしなかったが「そういう馬で凱旋門賞にトライしたい気持ちは凄くある」と熱く語った武豊騎手の脳裏には、やはりキタサンブラックの姿があったのではないだろうか。
以前から「来年は最高のパートナー、最高のスタッフとともに、日の丸を背負った日本代表のジョッキーとして勝負の場に立ち、鳥肌が立つようなレースをしたい」と来年の凱旋門賞挑戦を熱望する姿勢を見せている武豊騎手。