JRA福永祐一コントレイル大阪杯(G1)始動の前に下り坂!? 大金星ギベオンと最下位ブラヴァスの明暗、頼みの中京で連敗トンネル延長戦

 先週、中京競馬場で行われた金鯱賞(G2)は、最低人気ギベオンの勝利で大波乱に終わった。

 このレースが今年の始動戦だった三冠牝馬デアリングタクトが出走したこともあり、同馬が単勝1.4倍の断然人気。頭数は10頭と少ないながらも、ギベオンの単勝は9番人気ジナンボーの65.4倍を大きく上回る227.3倍という桁違いのオッズだった。

 初騎乗のギベオンで大金星をあげた西村淳也騎手は、デビュー4年目の若手。積極果敢な好騎乗も光ったが、待望の重賞初勝利を後押ししたのは、この日の中京の特殊な馬場だったのかもしれない。

 中京競馬場は、週末の雨の影響で当日の馬場状態は重の発表。不良だった土曜から多少の回復は見られたが、午前中から前残りが多発していたように、後ろから競馬をする馬にとっては不利な馬場コンディションだったといえる。

 勝って当然と考えられていたデアリングタクトが、よもやの敗戦を喫した原因もポジションが後ろになり過ぎたことも影響が大きそうだ。

 そして、おそらく特殊な馬場の被害を最も受けていたと考えられるのが、4番人気で最下位に敗れたブラヴァス(牡5、栗東・友道康夫厩舎)だろう。

「こんなにノメるとは、というぐらいノメっていた」

 レース後に、福永祐一騎手がそう振り返った通り、4コーナーを回って最後の直線に入ってからのブラヴァスは反応しなかった。

 道中は内目の3番手を追走し、すぐ前には先頭を走るギベオン。逃げたギベオンが結果的に勝利する展開なら、ブラヴァスの位置は限りなくベストに近かったはずだ。にもかかわらず、ブラヴァスは鞍上の叱咤激励に応えることなくズルズルと後退する一方。福永騎手には大誤算だったに違いない。

 その一方で、好調だった福永騎手の勢いに陰りが見え始めたのは気になる材料だ。今年の福永騎手は得意の中京開催が多かったこともあって絶好調。それ以外でもコンスタントに結果を残し、騎手リーディングでもC.ルメール騎手に続く2位をキープ。昨年ブレイクした3位の松山弘平騎手を押さえている。

 一見、何の問題もないように見えるが、これを重賞に限定するともう一つ波に乗れていないことが浮き彫りになる。

 1月に中京のシンザン記念(G3)、シルクロードS(G3)を制したものの、2月に入って1番人気ヴァンドギャルドで東京新聞杯(G3)を4着に敗れて以降は連敗続き。ブラヴァスで金鯱賞を敗れてついには9連敗を数えた。

 これまでの2勝が中京で挙げたもの。金鯱賞はシルクロードS以来となる中京での重賞。連敗ストップの期待も少なからずあったのではないか。

 来月4日には最愛のパートナー・コントレイルが、大阪杯(G1)で今年初戦を迎える。春の大一番で結果を残すためにも、負の連鎖を断ち切っておきたいところだ。

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