JRAリアアメリア捨てた川田将雅「猛チャージ」も想定内!? 阪神大賞典(G2)オルフェーヴル級の巻き返しも…… ここ一番で喰らったしっぺ返し
3月に入って川田将雅騎手が絶好調だ。
他の騎手も羨む極上馬質をスタンバイさせながらも今年の1月はわずか6勝。リーディング上位の常連には珍しく、トップ10にすら入れずに圏外という屈辱を味わったが、ついに4位まで這い上がった。
リーディング争いに致命傷となりかねない窮地からの追い上げは、2012年の阪神大賞典(G2)でオルフェーヴルが見せた巻き返しにも通じるところがあるだろう。
京都競馬場の改修工事の関係で年始の開催は京都ではなく中京。猫の目のように傾向が変化したコースの特徴に苦しみ、例年のようなスタートダッシュを成功させることが出来なかった川田騎手。
だが、2月に入って状況は好転。苦しんだ中京を克服し、1月の6勝から2月は11勝を上乗せした。徐々に復活の気配を見せていた川田騎手だったが、いよいよ本領発揮となったのが3月だ。
まだ2週が過ぎたばかりにもかかわらず、先週の開催を終えて二桁に乗る10勝をマーク。この時点で2月の11勝と早くも1勝差で勝率は驚愕の35.7%。リーディングを独走するC.ルメール騎手でさえ、9勝で勝率32.1%なのだから飛ぶ鳥を落とす勢いといえるだろう。
川田騎手の躍進を後押ししたのが得意としている阪神開催だ。10勝の内訳も7戦2勝の中山、7戦1勝の中京1勝に対し、14戦7勝の阪神は特筆すべき好成績だ。
13日には中山競馬場で中山牝馬S(G3)が行われたが、このレースにはデビューからすべてコンビを組んだリアアメリアも出走した。しかし、コンビを組んだのは川田騎手ではなく福永祐一騎手。乗り替わりの影響がどこまであったかは微妙だが、3番人気に支持されたリアアメリアは7着に敗退。
そんな元恋人を尻目に川田騎手は阪神で勝ち星を荒稼ぎ。宿敵ルメール騎手の陰はまだ踏めないとはいえ、2位の福永騎手や3位の松山弘平騎手は射程圏に捉えられる位置まで急上昇した。
この勢いに弾みをつけたかった川田騎手だが、立ち塞がったのは2月に克服したはずの中京。”平常運転”で4勝を挙げたルメール騎手に対し、わずか1勝と完敗。この日のメインレース・金鯱賞(G2)では、2番人気グローリーヴェイズとのコンビで4着に敗退。
同馬の3着をハナ差で阻んだのは、川田騎手に選ばれなかった6番人気馬ポタジェであり、不覚にも捨てた馬にしっぺ返しを食らった格好となってしまった。
レース後に「次は、さらに良い状態になってくれると思います」と前を向いた川田騎手。1.3倍の断然人気を裏切って3着に敗れた弥生賞(G2)のダノンザキッドについて「この敗戦を糧に本番に向かいたい」とコメントしたように、グローリーヴェイズも春の天皇賞で前進が期待できそうだ。
再び立ちはだかった中京で全敗に終わらず、最終レースで1勝をしっかり挙げられたことも、春の猛チャージを予感させるものだった。