JRA皐月賞出走危機シャフリヤールは毎日杯(G3)が正念場!? 「偉大な兄」アルアインも歩んだ道、東上最終便でプラチナチケットを手にすることができるか

 27日、阪神競馬場で行われる毎日杯(G3)にシャフリヤール(牡3、栗東・藤原英昭厩舎)が新パートナー川田将雅騎手を迎えて出走する。

 父ディープインパクト、母ドバイマジェスティ(母の父エッセンスオブドバイ)という血統は、G1・2勝馬アルアインの全弟にあたる。17年の皐月賞(G1)、19年大阪杯(G1)を制した名馬を兄に持つ超良血だ。

 ペルシャ語で「偉大な王」を意味するシャフリヤールのデビューは昨年10月の京都芝1800mの新馬戦。福永祐一騎手を背に可愛らしく「ぴょこん」とスタートを切ると、道中は中団を追走。4コーナー手前で仕掛けられるとグンと加速。直線は鋭く伸び、人気を分け合ったヴィヴァンをクビ差捕らえたところがゴール。3着以下を4馬身後方に置き去りにした。

 勝ちタイムは1:49.9秒と「平凡」だったが1000m通過が1:02.2秒のスローペースだった事を考えればさほど気にすることはないだろう。かくしてシャフリヤールは「王道」への第一歩である新馬勝ちを収めた。

 陣営が次走に選択したのは「クラシックの登竜門」として過去多くの名馬を輩出してきた共同通信杯(G3)だ。1戦1勝でここに挑むのは陣営の期待の大きさの表れであるのは言うまでもない。シャフリヤール以外の「1戦1勝馬」は他にヴィクティファルス、ディオスバリエンテ、紅一点レフトゥバーズの3頭。ここを勝つようなら15年リアルスティール以来の快挙となる。

 朝日杯FS(G1)2着の実績を持つステラヴェローチェに次ぐ、2番人気の支持を集めたシャフリヤールは新馬戦同様中団からの追走。4コーナー手前から進出を開始するもなかなか差が詰まらない。2着ヴィクティファルスと馬体を合わせてゴールしたがアタマ差届かず3着、その2馬身半前方には今や「皐月賞の最有力候補」と目されるエフフォーリアがいた。

 惜しくも賞金加算が出来なかったシャフリヤールだが、ステラヴェローチェに先着し、アタマ差の戦線を演じたヴィクティファルスは先週のスプリングS(G2)を勝っている。この2頭を物差しに、さらに終始前に壁が作れず外々を回らされた展開面のロスも考慮すれば、内容は決して悲観されるものではないだろう。

「素質の片鱗」を随所に見せてはいながら、皐月賞出走に収得賞金が足りないシャフリヤールにとって「崖っぷちの戦い」となる毎日杯。

「偉大な兄」アルアインはここを勝った勢いそのままに9番人気の低評価を覆して皐月賞で衝撃のレコードVを決めた。弟シャフリヤールは兄の蹄跡を辿り、東上最終便のプラチナチケットを手にすることができるだろうか。

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