JRA 武豊「社会的信用を一日でも早く回復する」も空しく“モヤモヤ”決着……不正ではなく「不適切」。調教師「約7割」が厳しい処分要求も
「『JRAとは別に調教師会として対応しなければ』と話していた手塚調教師ですが、どうやら報道があった直後、橋田満調教師から『こっちは何も聞いてない』という話があったようですね。手塚調教師の勇み足というか、大先輩であり、調教師会会長の橋田調教師に相談せずにマスコミに調教師会の方針を話してしまったことが、結果的に調教師会全体の足並みが揃わない状況を生んでしまったようです」(競馬記者)
この結果、関東のある調教師は「一部の不正受給した人たちのせいで、残りすべての調教師までファンなどから白い目で見られてしまう」と不満の色を隠さない。
「調教師会でも約7割の人が厳しい処分や氏名の公表を求めたそうですが、『調教停止などの厳しい処分をしたら、開催に影響が出てしまう。氏名を公表すれば最悪、開催できなくなって皆が困る』というような理由で、結局うやむやにされてしまったとか……。
取材に応じてくださった調教師の方も『返せばいいって問題ではないし、個人的には全然納得してない』と、やはり印象はファンや世間と同じみたいです」(同)
しかし、実際にこの結末で納得できる人はごく少数だろう。もっと他に適切な形で対応することができなかったのか……。白毛馬ソダシの桜花賞(G1)制覇など、明るい話題が続く競馬界だが、組織全体の「甘い認識」が露になった本件は、もっと重い教訓として活かされるべきだろう。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。