JRA【青葉賞(G2)展望】世代屈指の「豪脚」持ち主ワンダフルタウンVS「ラストイヤー」藤沢調教師の秘蔵っ子!
5月1日、東京競馬場ではダービートライアル・青葉賞(G2)が行われる。日本ダービーと同じ2400mを舞台に、3着馬までに与えられる優先出走権を巡って、今年も熱い戦いが繰り広げられそうだ。
ラジオNIKKEI杯京都2歳S(G3)以来、5か月ぶりの実戦を迎えるワンダフルタウン(牡3歳、栗東・高橋義忠厩舎)。皐月賞(G1)を目指して調整されていたが、爪を負傷したため目標をダービーに切り替えた。
3月20日にはトレセンに帰厩。爪をケアしながら慎重に調整されてきた。陣営はダービーへの直行も視野に入れていたようだが、青葉賞での戦列復帰が決定。ひと叩きして大一番に向かう。
1週前の21日には、栗東CWで追い切られ、6ハロン78秒8-ラスト12秒4をマーク。時計自体は合格点といえるが、併せ馬で大きく遅れるなど、まだ完調とは言い難い状態だ。
高橋義調教師からは「休み明けの分まだ重い」というコメントも出ており、あくまでもダービーを見据えての出走となりそう。ただ、デビューから4戦連続で上がり最速をマークした世代屈指の末脚の持ち主だけに、東京の長い直線で豪脚が炸裂するようなら、本番でも有力馬の1頭に挙げられることになるだろう。
青葉賞通算4勝を誇る藤沢和雄調教師が送り込むキングストンボーイ(牡3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)も楽しみな1頭だ。
これまで1600~1800mを4戦して、「2-0-0-2」。2度の重賞挑戦はどちらも着外に敗れていて、重賞の高い壁に阻まれている。
しかし、前走の共同通信杯(G3)は、後の皐月賞馬エフフォーリアから0秒4差の4着。G2の一戦なら十分威張っていい実績といえるだろう。
来年春に引退する藤沢調教師にとっては最後の青葉賞、そして最後のダービー出走に向けた重要な一戦となる。秘蔵っ子キングストンボーイの権利獲りはなるか。
昨年9月のデビューから逃げて2連勝中のノースブリッジ(牡3歳、美浦・奥村武厩舎)。前走の葉牡丹賞(1勝クラス)を勝ち、その後は共同通信杯を予定していたが、右前脚の挫石で見送り。5か月ぶりの実戦を迎える。
父はG1・6勝のモーリス。母アメージングムーンは現役時代1勝に終わったが、短距離を主戦場とした。また、叔父には快速逃げ馬として活躍し、2009年に春秋スプリントG1を勝ったローレルゲレイロがいる。ノースブリッジのテンの速さはその血統によるものだろう。
2400mの距離を克服して、無傷の3連勝でダービーに向かうことはできるだろうか。
レッドヴェロシティ(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)は、ここまで5戦2勝。前走の水仙賞(1勝クラス)では2番手から抜け出す強い内容で2勝目を挙げた。初騎乗で「長い距離は合っている」と話したM.デムーロ騎手の継続騎乗も心強い。
デビュー2連勝で臨んだ弥生賞(G2)では3番人気に支持されるも7着に終わったワンデイモア(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)。未勝利戦を勝ち上がった東京へのコース替わりで巻き返しを図る。
他には、前走の山吹賞(1勝クラス)を完勝したアオイショー(牡3歳、美浦・中舘英二厩舎)、ステイフーリッシュの半弟で1戦1勝のゲヴィナー(牡3歳、栗東・藤原英昭厩舎)などが出走を予定している。
ダービーへの3枚の切符を手にするのは果たしてどの馬になるのか。発走は15時45分を予定している。