JRA 武豊、天皇賞・春(G1)参戦! キタサンブラックで2連覇、キズナで2連敗……平成の盾男と「26戦8勝」の歴史
盾男の帰還である。今週行われる第163回天皇賞・春(G1)に、平成の盾男こと武豊騎手の騎乗が決まったのだ。
骨折で戦線を離脱していた武豊騎手が、今週いよいよ復帰する。そしてその復帰週に行われるG1レースの天皇賞・春に、いきなり騎乗が決まったのである。今回騎乗するのは条件馬で格下のディバインフォースだが、武豊騎手の騎乗によって期待せざるを得ない穴馬に急浮上。ファンもマスコミも簡単には無印にできない状況となった。
武豊騎手といえば、天皇賞・春で誰よりも結果を残してきた。
ここまで26回騎乗して8勝2着6回、つまり勝率は30.7%で連対率は50%を超える圧倒的な相性を誇っている。今回はデビュー35年目で27回目の騎乗となるが、レースに向けて武豊騎手の騎乗成績を振り返ってみたい。
武豊騎手が初めて天皇賞・春に騎乗したのは1989年。当時4番人気だったイナリワンで見事、初騎乗初勝利を成し遂げている。イナリワンは地方の大井競馬出身で、この天皇賞・春は移籍3戦目のレース。ここまでJRAでは2戦して4着5着だった同馬をこの大舞台で、しかもレコードタイムで圧勝。2着のミスターシクレノンには0.8秒も差をつけている。
そして2勝目は、その翌年の1990年。菊花賞馬スーパークリークで2年連続勝利を果たした。そして3勝目と4勝目は1991年と1992年のメジロマックイーン。古馬になって初めてコンビを組み、難なく快勝。翌年も快勝し2連覇も果たしたが、3連覇の偉業はライスシャワーに阻まれてしまった。
天皇賞・春の初騎乗から4年連続で勝利という偉業を達成。これをデビュー3年目の若手騎手が果たしたのだから、誰もが天才と認めざるを得ないものであった。しかし前述したように、メジロマックイーンの3連覇、つまり武豊騎手の5年連続天皇賞・春優勝は、ライスシャワーによって阻まれている。
続く1994年は皐月賞馬ナリタタイシンで挑むも、菊花賞馬ビワハヤヒデの前に2着敗退。残念ながら勝利はできなかったものの、6年連続2着以内は十分すぎる成績だったといえよう。
1995年はハギノリアルキングで3着に好走したものの、1996年はカミノマジックで16着に大敗。とはいえ、同馬は11番人気の低評価と明らかに実績不足だったことは否めない。1997年はマーベラスサンデーに騎乗するも、マヤノトップガンの前に3着に敗退。1998年は騎乗馬がなく、ここで天皇賞・春の騎乗は9年連続でストップとなった。
しかし1999年は日本ダービー馬スペシャルウィークに騎乗。メジロブライト、セイウンスカイ、シルクジャスティス、ステイゴールド、マチカネフクキタルといったハイレベルな相手に見事勝利を達成、通算5勝目となった。
翌2000年はラスカルスズカで挑むも王者テイエムオペラオーの2着、2001年の騎乗はなく、2002年はジャングルポケットでマンハッタンカフェの2着。2003年はダイタクバートラム、2004年はリンカーンでともに1番人気に支持されるも3着と13着となり、2005年は牝馬アドマイヤグルーヴに騎乗するも11着に敗退、なかなか勝利を掴むことができなかった。