JRA 武豊「体調万全」もNHKマイルC(G1)は相性もうひとつ!? ホウオウアマゾンで参戦も勝利を譲った3年前の苦い記憶
9日、東京競馬場で行われるNHKマイルC(G1)に、ホウオウアマゾン(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が出走を予定している。
主戦を務めていた松山弘平騎手は、香港のクイーンエリザベス2世C(G1)でデアリングタクトに騎乗したため、2週間の隔離が必要となり今週の騎乗は不可能。前走で代打騎乗した川田将雅騎手も、NHKマイルCでは2歳マイル王のグレナディアガーズというお手馬がいる。
そこで鞍上を任されたのが、先週怪我から復帰した武豊騎手。復帰初日から2勝を挙げ、自身のホームページで「傷めたことがない足の甲の骨折で思わぬブランクが生じましたが、見ての通りボクの体調は万全です」と今週の騎乗にも意欲を示している。
武豊騎手は過去に、NHKマイルCで3勝。1997年シーキングザパール、2001年クロフネ、2006年ロジックで勝利している得意舞台だった。
しかし、国際競走に変更された2009年以降は最高で9着と結果が出ておらず、騎乗のあった残りの8年は全て二桁着順。昨年のNHKマイルCでも、今年のホウオウアマゾンと同じ矢作芳人調教師とのコンビで挑んだが、3番人気のサトノインプレッサで後方から進めたものの、伸びを欠いて13着と惨敗を喫している。
そして、この相性の悪さを色濃く象徴するのが2018年のNHKマイルCだ。
「2週前の4月22日、京都競馬8Rでサイモンゼーレに騎乗した武豊騎手ですが、3コーナーで外側に斜行し、複数の馬の進路を妨害したとして9日間(開催4日間)の騎乗停止処分を受けていました。藤岡佑騎手にとっては何とも幸運なG1勝利となりましたが、武豊騎手としては騎乗していれば勝っていた可能性もあるだけに複雑な心境だったのではないでしょうか」(競馬記者)
18頭立ての芝1600m戦。3番人気のテトラドラクマがマイペースの逃げを打ち、レースは進んだ。
最後の直線でミスターメロディがテトラドラクマに並びかけると、その内を突いてギベオンが強襲。さらに、外からレッドヴェイロンもこれに迫ると大接戦の様相となった。
しかし、残り100mを切り大外を回ったケイアイノーテックが豪脚一閃。これらをまとめて差し切り、1着でゴールを駆け抜けている。
鞍上は、このレースがG1初勝利となった藤岡佑介騎手。本来、騎乗する予定であった武豊騎手の姿は、そこにはなかった。
今年はホウオウアマゾンでの参戦となる武豊騎手だが、同じ矢作厩舎からは藤岡佑騎手の手綱でバスラットレオン(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)も出走を予定している。
奇しくも、乗り替わった2人が同厩舎の馬で参戦する今年のNHKマイルC。武豊騎手は「パッと見は混戦模様で、その中にボクの馬もいるはずと前向きに挑みます」綴っていたが、藤岡佑騎手のバスラットレオンも脅威の存在となりそうだ。
(文=北野なるはや)
<著者プロフィール>
某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。