JRA「3億円」サトノダイヤモンド弟「2年3カ月ぶり」復帰戦を圧勝! 無念のクラシック離脱から「遅れてきた超良血馬」にかかる兄超えの期待

 9日に行われた東京8R(2勝クラス)は、福永祐一騎手の2番人気サトノジェネシス(牡5、美浦・堀宣行厩舎)が優勝した。

 同馬は父ディープインパクト、母マルペンサ、全兄にはG1・2勝馬のサトノダイヤモンドがいる期待馬。2016年セレクトセールでは3億240万円(税込)で落札された超良血馬だ。

「スタートに不安はあったけど、あとは大丈夫でした」

 初コンビとなった福永騎手もそう振り返った通り、2年3カ月ぶりのブランクを感じさせない大物感十分の走り。

 長期休養明けということもあり、12キロ増の馬体で臨んだ8頭立ての芝2000m戦。ステラドーロがハナを主張して2番手にキタノインパクトがつける。サトノジェネシスはインの3番手からの追走となった。

 少頭数ということもあって隊列に大きな変化もないまま、1000m通過は59秒4のスローペースに落ち着いた。残り800mを過ぎて徐々にペースが上がり、先行争いが激化する中、内で脚を溜めていたサトノジェネシスの脚色にはまだ余裕があった。

 最後の直線で外に持ち出されると、先に抜け出したキタノインパクト目掛けて猛然と襲い掛かる。ゴール手前100m辺りでこれを交わすと2馬身の差をつけて勝利。3着馬はさらに5馬身後方へ置き去りにされたように、力の差を感じさせる内容だった。

「さすが良血馬という走りでした。馬体にはまだ余裕もありましたから、ひと叩きされて次走ではさらによくなりそうな雰囲気です。2着に負かしたキタノインパクトもDMMドリームクラブのディープインパクト産駒で、前走を2馬身差で楽勝していた相手でした。

約3億円の高額馬だけに、元を取るにはまだまだ稼ぐ必要がありますが、楽しみな馬の復活ですね。芝2000m勝ち時計の1分57秒9は、今年の東京開催で最速でしたし、次走も勝ち負けが期待できそうです」(競馬記者)

 2年前のクラシックはゆりかもめ賞(1勝クラス)を勝利した後に屈腱炎を発症して、参戦は叶わなかった。

 16年の菊花賞(G1)を勝利し、有馬記念(G1)でキタサンブラックを破った兄サトノダイヤモンドに追いつくためにも、負けられない戦いが待っている。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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