JRA C.ルメール「絶対にG1級」シュネルマイスター貫録勝ち! NHKマイルC(G1)グランアレグリアの悪夢から2年、2週連続G1制覇に追い風

 9日、東京競馬場で行われた3歳マイル王決定戦・NHKマイルC(G1)は、C.ルメール騎手の2番人気シュネルマイスター(牡3、美浦・手塚貴久厩舎)が優勝。デビューから4戦目で、重賞初勝利とともにG1馬の称号も手に入れた。

「すごく嬉しい。まだ背中が柔らかいし、子供っぽいけど能力は絶対にある。パワーアップしたらハイレベルなレースでも勝てると思います」

 見事な手綱さばきで勝利へ導いたルメール騎手は、今後の活躍に太鼓判。最終追い切り後のコメントでも「絶対にG1級」と評したパートナーの実力を証明してみせた。

 フルゲート18頭で争われた芝1600mのレース。スタートしてすぐバスラットレオンが落馬するアクシデント。8枠18番の大外からピクシーナイトがハナを主張してペースを握る。

 2番手にランドオブリバティが上がり、ホウオウアマゾン、グレイインザグリーンと続いていく。中団前目にグレナディアガーズ、ソングライン。シュネルマイスターはこれらを見るような形で9番手からの追走となった。

 残り600mを過ぎてペースが一気に上がり、ポジション争いが激化。最後の直線で粘り込みを図るピクシーナイトを交わして地力に勝るグレナディアガーズが先頭に躍り出る。これを目掛けて襲い掛かったのがソングラインだ。

 残り200m辺りで抜け出し、このまま押し切るかに思われたが、外から強襲したのがシュネルマイスター。ライバルとの差を一完歩ごとに縮めると、そのまま鼻面を並べてゴールした。

 写真判定に持ち込まれた勝負は、ハナ差でシュネルマイスターに軍配が上がった。コンビを組んだルメール騎手にとっても、カフェファラオで制したフェブラリーSから続いたG1の連敗ストップとなった。

「このところ、人気馬で勝ち切れない競馬が続いていたルメール騎手としては、最高の気分でしょうね。ハナ差の辛勝でしたが、ゴール前での測ったような差し切りはさすがでした。

7枠15番という外枠からのレースになりましたが、道中も外々を伸び伸びと走るスムーズな競馬。ルメール騎手がよく口にする“リラックス”した走りが最後の伸びに繋がったんでしょう」(競馬記者)

 ルメール騎手は16日のヴィクトリアマイル(G1)に、グランアレグリアとのコンビで挑むが、同馬は2年前のNHKマイルCで5着(4位入線から降着)と敗れた因縁のレース。

 シュネルマイスターでのリベンジは昨年、最愛のパートナー・アーモンドアイと制したレースの連覇に最高の追い風となったに違いない。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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