JRA サトノダイヤモンド「8cm」差で逃がした悲願! 日本ダービー(G1)「リベンジ」にC.ルメール手応え、ウオッカ以来の偉業にレイナスが臨む壁

サトノレイナス 撮影:Ruriko.I

 東西のダービー最終便・京都新聞杯(G2)、プリンシバルS(L)が終わり、出走馬の想定も出始めた日本ダービー(G1)。気になる各馬の鞍上も、続々と決定している。

 皐月賞(G1)で4着に入り、優先出走権を得たアドマイヤハダルは、M.デムーロ騎手へと乗り替わり。同馬に騎乗していたC.ルメール騎手は、桜花賞で2着となった牝馬サトノレイナス(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)に騎乗を予定している。

 牝馬の日本ダービー参戦は2014年のレッドリヴェール以来7年ぶり。勝てば、同じく桜花賞2着から臨んだ2007年のウオッカ以来「史上4頭目」の快挙となる。

 冠名「サトノ」で有名な里見治オーナーだは過去にG1馬を4頭も輩出。しかし、日本ダービーでの2着は2回あるものの、勝利はまだ掴めていない。

 最も勝利に近づいたのが、2016年のサトノダイヤモンドだ。

 この年の皐月賞は、同馬を含め人気を背負ったマカヒキ、リオンディーズがともに敗れる波乱の決着。8番人気の伏兵ディーマジェスティが勝利し、続く日本ダービーも混戦模様だった。

 レースはフルゲートの18頭立て。サトノダイヤモンドは中団につけると、同じくディープインパクト産駒のマカヒキ、ディーマジェスティもこれをマークする形で道中は追走する。

 4コーナーから直線にかけてサトノダイヤモンドが仕掛けると、外からディーマジェスティも応戦。マカヒキは前のエアスピネルとサトノダイヤモンドが壁となり苦しい展開かに思われた。

 しかし、残り200mでマカヒキが2頭の間をこじ開けると、最後はサトノダイヤモンドとの一騎打ち。ハナ差となったゴール前の接戦は、僅か「8㎝」の差でマカヒキに軍配が上がった。

 その後も、2017年のサトノアーサー、2019年のサトノルークスで挑戦するも、2桁着順の惨敗。昨年はサトノインプレッサ、サトノフラッグの2頭出しで臨んだが、サトノインプレッサは4着、サトノレイナスの全兄・サトノフラッグは11着とまたしても戴冠には届かなかった。

 里見オーナーの所有馬に、ダービーでルメール騎手が騎乗するのはサトノダイヤモンド以来。

 サトノレイナスを管理する国枝調教師は『スポニチ』の取材に対し「改めて牡馬相手でもやれると思った。ルメールさんも“ダービーに出るなら乗りたい”と。手応えがあったみたい」と桜花賞でソダシを追い詰めた剛脚に牡馬に通用する能力を感じ取っており「勝ちたい思いはオーナーも私も強い。いつまでも“ダービーを勝っていない”と言われるわけにいかない」とダービー制覇に意欲を燃やす。

 里見オーナーも「16年サトノダイヤモンドが8センチ差の鼻差、しかも蹄鉄が外れていて2着。悔しかった。本当は牡馬でダービーを勝ちたい。ただ、あれだけの2人が言ってくれた。牝馬でもダービーを勝ってくれれば本当にうれしい」と、その思いは調教師と同じだろう。

 サトノ軍団として、リベンジマッチに臨むサトノレイナス。無敗の皐月賞馬・エフフォーリアとの対戦が今から楽しみだ。

(文=北野なるはや)

<著者プロフィール>
 某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。

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