JRA 「大先生」柴田善臣の“伝統芸”を上回ったのはまさかの武豊!? 6年ぶり参戦オークス(G1)ソダシ一強ムードも軽視できないベテランの魅力
春のG1ラッシュ真っ最中のJRA。今週は3歳牝馬のクラシック・オークス(G1)が開催される。
桜花賞(G1)に続く二冠達成を狙う白毛馬ソダシに対して、同馬を二度も追い詰めた最大のライバル・サトノレイナスがまさかのダービー参戦。ソダシ一強ムードも漂うが、対抗馬はやはり、オークスの“定番”ともいえる、巻き返しを目論む桜花賞組の関東馬か。
そんななか、JRA最年長ジョッキーである柴田善臣騎手が、実に6年ぶりにオークスに参戦するというニュースが飛び込んできた。
ネット上や競馬ファンからは愛着を込めて「先生」や「相談役」と呼ばれている柴田善騎手は、昨年11月と今年2月に負った2度の骨折を乗り越え、3月には史上6人目となるJRA通算2300勝を達成。今年でデビュー37年目を迎えた同騎手のG1騎乗は、トーセンブレスで出走した昨年のヴィクトリアマイル(G1)以来、約1年ぶりとなる。
オークスに限れば、2018年にも騎乗予定があったものの、残念ながら出走取消。通算22回目となる今年の騎乗は、キャットコインで出走した2015年以来6年ぶりの参戦だ。
さて、柴田善騎手といえば、4着の多さでもちょっとした有名人でもある。競馬では3着以内に入らないと払戻の対象とならないことが多いため、馬券を購入するファンからすれば、4着だとハズレ馬券となってしまう。
このような事情もあり、ネット上などで競馬ファンからは、安定志向の“公務員”騎乗や“伝統芸”と揶揄されることもある。他方で馬主や調教師、騎手には賞金が与えられるため、柴田善騎手の安定感は関係者にとってwin-winという側面もある。
では、実際のところはどうなのか。デビュー30年以上の平地専門の騎手を対象に、G1レース騎乗時の4着率を調べてみたところ、意外な結果が判明した。
まずは「大本命」の柴田善騎手から。過去のG1参戦は295戦して4着は25回。4着率は8.47%と、さすがのハイアベレージを叩き出していた。
次に柴田善騎手に続くデビュー36年目の横山典弘騎手。G1参戦は432戦。そのうち4着は32回で4着率は7.4%と、柴田善騎手には敵わない。
デビュー33年目の田中勝春騎手は207戦で4着14回。同32年目の江田照男騎手は87戦で4着4回。4着率は田中騎手6.76%、江田照騎手4.59%と、柴田善騎手には遠く及ばず。
ちなみに今年2月、35年間の騎手生活を終えた蛯名正義元騎手のG1参戦は、342戦で4着27回。4着率は7.89%でこちらも柴田善騎手が勝利。ここまで調べると、やはり“伝統芸”は本物かと信じたくなる。