JRA 岩田康誠、岩田望来が親子で直前緊急降板の憂き目……日本ダービー(G1)ダノンザキッド回避に見えるジョッキーの弱肉強食
昨年のホープフルS(G1)を制したダノンザキッド(牡3歳、栗東・安田隆行厩舎)が、右橈骨粗面剥離骨折で日本ダービー(G1)を回避することが決定。JRAの発表によると、同馬は今後3カ月以上の休養を要する見込みで、今年は皐月賞(G1)に続き、日本ダービーでもフルゲート割れとなる。
ダノンザキッドに騎乗を予定していた川田将雅騎手は、ヨーホーレイク(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)の騎乗になる見込みで、前走から引き続き同馬へ騎乗する予定だった岩田望来騎手は無念の降板となった。
「川田騎手はノーザンファーム生産馬で、今年28勝を挙げています。これはC.ルメール騎手の34勝に次ぐ数字で、勝率、連対率、複勝率ではルメール騎手を上回っています。ノーザンファーム生産馬では複勝率5割を超えていますし、ノーザンファーム側も乗れることなら乗ってほしいというのが本音なのではないでしょうか」(競馬記者)
川田騎手は今年58勝を挙げているが、内28勝がノーザンファーム生産馬。騎乗数の4割を占めており、それだけ信頼も厚いといえそうだ。
騎乗馬を任される厩舎との関係を見ると、今年もっとも依頼を受けている中内田充正厩舎が30回。次いで友道厩舎の14回となっている。また、オーナーでは社台レースホース、シルクレーシングが13回。金子真人ホールディングス、サンデーレーシングが同率3位で12回だ。
これらに当てはまる日本ダービー出走馬を考えると、やはりノーザンファーム生産馬で、金子真人ホールディングス所有のヨーホーレイクとなるのは自然な流れか。
前走の皐月賞では岩田望騎手が騎乗したが元々は武豊騎手が主戦を務めていた馬であり、代打の意味合いが強かったことに加え、岩田望騎手が重賞を勝ったことがないデビュー3年目の20歳ということを考えれば、川田騎手への乗り替わりも仕方なかったのかもしれない。
思い返せば、今年の皐月賞ではルメール騎手のお手馬であるオーソクレースが回避。岩田康誠騎手の騎乗が予定されていたアドマイヤハダルに、ルメール騎手が乗り替わりとなっている。
この際も今回のダノンザキッド、ヨーホーレイク同様に、2頭ともがノーザンファーム生産馬。今年の牡馬クラシック戦線では、不運にも親子揃ってノーザンファーム生産馬からはじかれる形となった。(文=北野なるはや)
<著者プロフィール>
某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。