府中の大ケヤキ、実は「偽名」だった!? 伐採試みた作業員が死亡、サイレンススズカも散った「魔の第3コーナー」の怪、ダービーが行われる東京競馬場の都市伝説に迫る

 今週末に開催される競馬の祭典・日本ダービー(G1)。

 舞台となる東京競馬場は、現在24レースある平地G1競走のうち、3分の1を占める8レースが開催される。まさに日本を代表する競馬場といえるだろう。

 東京都府中市にあることから、府中競馬場ともよばれる同競馬場。競馬ファンにとって“聖地”でもあるこの場所に、ふたつの都市伝説スポットがあることをご存知だろうか。

 まずはひとつめ。東京競馬場の第3コーナー過ぎに鎮座している大樹がそれだ。

「ああ、あの大ケヤキね」とピンときた競馬ファンは、ベテランの部類に入るかもしれない。昭和時代から囁かれている「呪いの大ケヤキ」の話は、元号が令和に変わった現在まで、それこそ正確な情報ソースがない“噂話”ではあるものの、オカルト好きな競馬ファンの間では有名な話だ。

 過去、3コーナー付近で多くの落馬事故や予後不良となる馬が出ていることもあって「魔のコーナー」ともよばれる場所で鎮座する大樹について、その種目を「欅(ケヤキ)」としている情報が多い。しかし学術的には「榎(エノキ)」に分類される落葉樹である。実際のところは、昔は大欅が生えていたが、落雷などで燃え尽きてしまい、現在は同じ落葉樹の榎などが群生しているようである。

 コースの内側に生えており、レース中継では正直言って邪魔な存在でもある。事実、過去には何度か伐採することも検討されたという。

 ところが「(伐採しようとした)作業員が、ロープに絡まって死亡した」「関係者が突然死した」といった不思議な事故が相次ぎ、現在まで伐採されないままになっているという奇妙なエピソードが残っているのだ。

 その都市伝説は、1998年11月1日、秋の天皇賞(G1)に繋がる。

 1000mを57秒4の“怪”ペースで通過したサイレンススズカ。テレビ画面には、あの「大ケヤキ」を通り過ぎる同馬の姿が映し出されたその時、悲劇が起こった。誰もが予想しなかった「左前脚手根骨の粉砕骨折」という致命的な故障は、あの「呪いのケヤキ」のせいではないかと、まことしやかに語られたものだ。

 ふたつ目の都市伝説スポットは、この大樹付近に存在する「墓」だ。

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