マリアライト引退。キタサンブラックとドゥラメンテを下したグランプリ牝馬のハイライト
その後は有馬記念4着、日経賞・3着、目黒記念・2着と惜しい競馬が続き、迎えた16年の宝塚記念。マリアライトの鞍上は変わらず蛯名騎手が務め、8番人気だった。その日の1番人気は前年の二冠馬ドゥラメンテ、天皇賞を制して乗り込んできたキタサンブラックが2番人気で続く。こちらも馬場は稍重だ。
レースはキタサンブラックが引っ張る展開。マリアライトは中団、ドゥラメンテは後方から先頭をうかがう形になった。4コーナーを回り先頭はキタサンブラック。直線に入るとするするとマリアライトと後方にいたドゥラメンテが外から進出を開始し、先頭集団を目指す。200mを切り、一気にマリアライトが加速。ドゥラメンテの伸びは目の覚めるようなものではなかった。ゴール前、マリアライトはキタサンブラックを交わして先頭に立ち、追いすがるドゥラメンテをクビ差で振り切り優勝。牝馬のグランプリ制覇として、名牝の仲間入りを果たした瞬間と言える。
その後もマリアライトは重賞に挑戦するも、勝利には届かず。昨年の有馬記念(10着)で競走生活を終えた。
今後は北海道のノーザンファームで繁殖馬入りするという。スピードが殺されるためか荒馬場では振るわないことも少なくないディープインパクト産駒ながら、稍重や重馬場での競馬を得意とした異色の馬・マリアライト。今後誕生する仔馬はどのような活躍をするのだろうか。できることならば、母馬のように見るものを驚かせるレース産駒の誕生を望みたい。