「あのオープン馬の全弟」が藤田菜七子騎手を背にデビュー!? クラシック戦線を賑わす可能性は?
今月に入り、JRAでは2歳の新馬戦がスタートした。良血馬や新種牡馬の産駒達の走りに、最も心躍る季節だ。今後“クラシック候補”と呼ばれる馬や活躍馬のきょうだい達が、続々と競馬場にデビューを果たすことだろう。
そんな中、昨年のセリ市にて「最高価格」で落札されたオープン馬の全弟が、藤田菜七子騎手を背にデビューする可能性が浮上している。
その馬とはフォレスタブル(牡2歳、美浦・根本康広厩舎)である。父ウインバリアシオン、母バーニングラブ。今年に入ってから2勝クラス、鈴鹿S(3勝クラス)と連勝し、見事にオープン入りを決めたドスハーツの全弟だ。
フォレスタブルは昨年、八戸家畜市場で開催された1歳馬のセリ市『八戸市場』にて、最高価格となる682万円(税込)で落札された。落札者は所有馬の鞍上に藤田菜七子騎手を多数起用している馬主の犬塚悠治郎氏である。
犬塚氏といえば今年4月に行われた『2021 JRAブリーズアップセール』でも、菜七子騎手に乗ってもらうためにマルトクビクトリー2019、馬名ストロングフォースを約3000万円で購入し話題となった。その後、ストロングフォースは12日に行われた新馬戦にて、無事に菜七子騎手を背にデビューを果たしたものの、残念ながら12着に敗れている。
犬塚氏はフォレスタブルについて、自身のブログ『ぐりぐり君の個人馬主ブログ』で「根本厩舎ですので所属ジョッキーを乗せたいですね」とコメント。ストロングフォースと同じく、フォレスタブルも菜七子騎手を背にデビューすることが濃厚であると言えるかもしれない。
また同ブログでは、全兄のドスハーツは全4勝をダートで挙げているものの、フォレスタブルについては「適性はまだわからない」とも話しており、必ずしもダート馬あると決めつけてもいないようだ。芝もこなせるようであれば、クラシック戦線での活躍も期待されるだろう。
「フォレスタブルの父であるウインバリアシオンは、オルフェーヴルが勝った2011年のダービーで2着など、主に芝の中長距離で活躍した馬です。本馬はHaloの4×3のインブリードを有していますが、同じくHaloのクロスを持つ馬にはマカヒキやサトノダイヤモンドなど、クラシックで活躍した馬も複数出ています。
フォレスタブルがクラシック云々かどうかはまだ分かりませんが、少なくとも芝の中長距離で活躍できる素地はあると思われます」(競馬記者)
本馬が落札された昨年の7月時点では、兄のドスハーツはまだ1勝クラスの馬でもあった。後のオープン馬の全弟を落札したのだから、犬塚氏の先見性にも眼を見張るものがあるだろう。デビューは秋頃になりそうだという。鞍上を含めて注目しておきたい1頭だ。