JRA宝塚記念(G1)ファン投票1位クロノジェネシスは大苦戦!? ドリームレースは「下剋上」が大量発生…… 「あなたの夢」も「私の夢」も無残な結果に
18年、ファン投票1位のサトノダイヤモンドを撃破したのは、同28位のミッキーロケット。和田竜二騎手の好騎乗で、見事に「下剋上」を果たしたといえる。
16年と17年のファン投票1位キタサンブラック。16年の優勝馬マリアライトは、同7位。17年、同馬を9着に退けたサトノクラウンは同8位だった。
ファン投票1位馬を撃破した例で印象深いのが、ゴールドシップが15着に惨敗した15年の宝塚記念。当時66,123票を集めた前年優勝馬ゴールドシップに対して、ラブリーデイはわずか5,467票で27位。6万票以上の差を覆す「下剋上」をみせてくれた。
さらに前出のブエナビスタを破ったアーネストリーは、ファン投票12位。このように、ファン投票では2桁順位に終わった馬たちも、意地を見せている。
今年の宝塚記念に話を戻せば、堂々のファン投票1位は昨年優勝馬のクロノジェネシス。しかしこれまで紹介した例から、ファン投票下位の馬が、ディフェンディング・チャンピオンを倒す「下剋上」の可能性は十分にあるといえるだろう。
対抗はやはりファン投票4位のレイパパレか。同6位カレンブーケドール、同8位キセキ、同12位アリストテレス、同15位モズベッロ、同29位メロディーレーンまでは「圏内」といえる。
一方で、ファン投票45位のカデナ、同57位のシロニイあたりは厳しいか。
ほか、ユニコーンライオン、ワイプティアーズ、アドマイヤアルバ、ミスマンマミーアは、ファン投票100位以下での出走となる。
ちなみに宝塚記念の過去の歴史を調べると、1986年にはファン投票165位のパーシャンボーイという馬が出走して、見事優勝。こうした例もあることから、ドリームレースに選ばれし全13頭には、最後の最後まで諦めず、ぜひとも好勝負を演じてもらいたい。
(文=鈴木TKO)
<著者プロフィール>
野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。