JRA現役最強馬クロノジェネシスを徹底研究。デビュー前の評価・北村友一&ルメールのコメント・同期のサンデーレーシング募集馬たちの今は?
昨年の宝塚記念と暮れの有馬記念を優勝し、大阪杯でコントレイル、グランアレグリア、サリオスを完封したレイパパレに今年の宝塚記念でも圧勝。アーモンドアイが引退した今、クロノジェネシスは紛れもなくJRAの現役最強馬だろう。
しかしデビュー前の同馬が、将来これほどの活躍ができると予見した人はいただろうか。ファンも評論家も、そして同馬のオーナーであるサンデーレーシングや生産者のノーザンファームも。
今回はクロノジェネシスがどういう馬なのか、様々な視点で検証していきたいと思う。ここまで同馬に騎乗した北村友一騎手とC.ルメール騎手のコメントから、同馬の能力について考察してみよう。
「追い切りの段階から走る馬だと思っていました。スローペースでもしっかり折り合っていました。いい内容でした」
(デビュー戦勝利後の北村友騎手)
「反応も良かったです。能力の高さを改めて感じました」
(アイビーS勝利後の北村友騎手)
「この馬の瞬発力を信頼していました。イメージ通りで反応も良かった」
(クイーンC勝利後の北村友騎手)
「直線ではいつでも抜け出せるような脚だった」
(秋華賞勝利後の北村友騎手)
「下り坂でペースアップするのは初めてで、戸惑いがあったかもしれません」
(エリザベス女王杯5着後の北村友騎手)
「強かったです。体重が示す通り、馬に幅が出てパワーアップしています」
(京都記念勝利後の北村友騎手)
「本当に強かった。この手応えで直線へ向けば絶対に伸びると思っていました」
(宝塚記念勝利後の北村友騎手)
「出負けして、さらに外から寄られて下げる形に。ポジションの差で負けて申し訳ないです」
(天皇賞・秋3着後の北村友騎手)
「折り合いはスムーズで、いつもの走りができました」
(有馬記念勝利後の北村友騎手)
「思っていたよりも後ろから早めに来られたので、長く脚を使うことに。接触してから立て直すためのロスもあり、最後は疲れてしまいました」
(ドバイシーマクラシック2着後の北村友騎手)
「いい位置を取れて道中も完璧。すごくいい脚を使ってくれて、最後は楽でした」
(宝塚記念勝利後のルメール騎手)
このコメントからもデビュー時から完成度が高く、その後成長につれてさらに凄みを増したような印象だ。なおサンデーレーシングで募集時にどんな評価だったかといえば、「芝のレースからのスタートになると予想しますが、(中略)ダートにも十分対応できるでしょう」と、芝で不振だった場合、将来的にはダートへの挑戦も視野に入れていたのだから驚きだ。
同じ母クロノロジストの産駒は、一つ上の姉ノームコアがヴィクトリアマイルと香港Cを勝利しているが、その活躍はクロノジェネシスの募集受付が終了してからのもの。他にはハピネスダンサーが5勝をあげるも重賞では結果が出なかった。そしてキャロットファームで募集されたクロノスタシスが3勝をあげた以外は目立った活躍馬が不在。
これらの経緯と父がバゴからも、サンデーレーシングでの募集価格1400万円(全40口・一口価格35万円)は順当といえる金額。これは同期92頭中83番目タイとかなりお得な価格だった。