JRA 社台ファーム生産の期待馬が藤田菜七子騎手でデビュー! 父は芝1800mの日本レコードホルダー
2歳新馬戦がスタートして早1ヶ月。来年のクラシックを意識させる素質馬が毎週のようにデビューしては、勝ち上がりを収めている。
そんな中で10日、福島競馬場で行われる芝1800mの新馬戦で初陣を迎えるのが、社台ファーム生産で近親にG1・3勝のマンハッタンカフェがいる期待馬ファディッシュ(牝2歳、美浦・青木孝文厩舎)だ。
気になる鞍上は、藤田菜七子騎手を予定とのこと。社台ファーム生産・馬主社台レースホース・菜七子騎手が新馬戦でコンビを組むのは、2020年10月のコーンフィールド以来となり、菜七子騎手にとっても大きなチャンスと言えそうだ。
コーンフィールドのデビュー戦はダートの1200mであった。芝の1800mでデビュー予定のファディッシュは、菜七子騎手と共に来年のクラシックを視野に入れていると言ってもよいだろう。調教では古馬と併せられ、互角の動きを披露しているようだ。
近年、夏の福島の芝1800mでデビューした活躍馬には、香港C(G1)やヴィクトリアマイル(G1)を制したノームコアや、NHKマイルC(G1)の覇者マイネルホウオウなどがいる。また、3着に敗れはしたものの、三冠牝馬アパパネも同レースにてデビュー。密かな出世レースであると言えるかもしれない。
だがその分、菜七子騎手とファディッシュにとって、強力なライバルとなりそうな馬も出走を予定している。
堀厩舎所属のディープインパクト産駒コリエンテスも、ファディッシュと同じ10日の福島芝1800mでデビュー予定だ。母イスパニダは2016年の亜1000ギニー(G1)の勝ち馬。シルクレーシングにて総額1億円で募集され、今年のPOGでも非常に人気の高い、文字通りの注目馬である。なお鞍上は戸崎圭太騎手を予定している。
一方、ファディッシュの父グランデッツァは産駒がJRAで9頭デビューするも、勝ち上がりを果たした馬はラルゲッツァ1頭のみ。マイナーな種牡馬であると言ってもよいだろう。だが舞台が芝1800mであれば、ディープ産駒の評判馬が相手でも対抗の余地はあるかもしれない。
「グランデッツァは現役時代に重賞を3つ勝っており、1つは芝1800mの札幌2歳S(G3)、もう1つは中山芝1800mのスプリングS(G2)、最後に福島競馬場で行われた七夕賞(G3)です。ちなみに都大路S(当時OP)では芝1800mの日本レコードである1分43秒9で駆け抜けています。
このことからも芝1800m前後がベストの条件であると言えそうで、また重賞を勝っていることから福島は得意のコースであるとも言えそうです。ディープインパクト産駒はどちらかと言えば広いコースの方が得意だと思われますので、小回りの福島芝1800mであればグランデッツァ産駒のファディッシュにも一発の可能性はあると思われます」(競馬記者)
なおグランデッツァであるが、20年に14頭に種付けされたのを最後に残念ながら種牡馬を引退。現在は乗馬として北海道札幌市にあるモモセライディングファームで繋養されている。
残り少なくなった産駒の中から、父を超えるような活躍馬が現れることに期待したいところである。また同産駒初の新馬戦勝利、来年の牝馬クラシック戦線に向けて菜七子騎手の手綱さばきにも注目だ。(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。