JRA 「こんな状態で出すな」戸崎圭太のポツン騎乗に非難の声!? 最終レースで逆転狙ったファンから非難轟々、大波乱に一役買った人気馬の轟沈はなぜ起きたのか
そこで、浮上してくるのが、同馬が今回初めて着用した馬具のチークピーシーズである。チークピーシーズとは「頭絡の頬革にボア状のものを装着したもので、左右を見えにくくして前方に意識を集中させる効果を期待して用いられる」(JRA公式サイトより)という矯正馬具の一種である。
現役の有名馬では、オジュウチョウサン(牡10歳、美浦・和田正一厩舎)などが、この馬具を愛用している。最近では、ギベオン(牡6歳、栗東・藤原英昭厩舎)が、金鯱賞(G2)で大金星をあげたが、チークピーシーズを着用した効果もあったと考えられている。
ただ、こうした馬具の使用に一定の効果が見込める一方、逆効果も考えられる。田辺裕信騎手はかつて、自身のコラムにて「(マイナス効果は)警戒しすぎることでしょうか。効果がありすぎて進んでいこうとしない馬もいる」とコメントしている。
三冠馬で有名なオルフェーヴルは、12年天皇賞・春(G1)にて、チークピーシーズ同様の効果が見込めるブリンカーを初めて着用。しかし、レース本番では、なかなか進んでいこうとせず、単勝1.3倍の支持を集めながら11着と惨敗した。
今回のホウオウルバンもレースでの行きっぷりが、明らかに悪かった。現段階では故障や心房細動といった発表もされていないため、もしかしたらこれまで装着したことのなかったチークピーシーズが原因でレースに集中できなかったという可能性も考えられる。
タイムオーバーの規定により、ホウオウルバンは8月4日までレースに出走することはできないが、また競馬場で元気な姿を見せてくれることを祈るばかりだ。
(文=寺沢アリマ)
<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。