JRAピースオブエイト「伝説の新馬戦」級デビューでグランディアを返り討ち!? 川田将雅ダノンスコーピオンに強敵登場か、着差以上の強さを裏付けた衝撃の理由とは
6月から始まった夏の2歳新馬戦も順調に消化。各地で続々と評判馬がデビューをしているが、期待に応えたケースもあれば、拍子抜けに終わったケースもある。
そんな中、11日の小倉で見事デビュー勝ちを飾ったピースオブエイトのレース内容は、非常に秀逸だったといえるだろう。
芝1800mの8頭立てで行われた小倉5Rの2歳新馬。1800mという中距離を使われたことからも、来年のクラシックを視野に入れる期待馬が揃った。
このレースで単勝1.5倍の圧倒的1番人気に支持されたのはグランディア。同馬は川田将雅×中内田充正コンビで、父ハービンジャー、母は重賞3勝のディアデラノビアという良血馬で、追い切りに騎乗した川田騎手が能力の高さを絶賛していた素質馬だけに無理もない。
続いて4.0倍の2番人気にヴェローナシチー。ピースオブエイトは2頭からやや離された7.0倍の3番人気に甘んじた。
しかし、いざレースを終えてみると、下馬評は一変。断然人気のグランディアを寄せ付けない走りで衝撃的なデビューを飾ったのである。
2着に退けたライバルとの差は1馬身1/2と派手なものではないが、評価したいのはレースの上がり3ハロンのラップである。
開幕して間もない小倉競馬場は芝もダートもレコードが連発するような高速馬場。速い時計での決着はある程度の想定が事前に可能だったが、1000m通過63秒0というスローペースで流れたこともあり、完全な切れ味勝負の展開だった。
レースの上がり3ハロン34秒7に対し、ピースオブエイト、グランアディア、ヴェローナシチーがマークした上がりは3頭揃って34秒4と0秒3差と一見、目立った数字ではない。
だが、3ハロンのラップを見てみると11秒9-11秒6-11秒2の加速ラップとなっていることに気付く。要はスピードを上げないと前の馬との差が一向に縮まらないどころか、離されるラップなのだ。
当然ながら前の馬を捕らえるにはそれ以上のラップを刻む必要があるのだが、これを難なくやってのけたのがピースオブエイトである。最後の直線で川田騎手も前を行くピースオブエイトを目標に追い出しただろうが、一向に差が縮まらない背中に焦りを感じたに違いない。