「79連敗」脱出した藤田菜七子騎手が約2ヶ月ぶりの白星! アイビスSD(G3)で千直女王がコンビを組む可能性のある「穴馬候補」とは!?
いよいよ開幕が間近に迫っている東京2020オリンピック。14日、東京競馬場で行われた聖火リレーの点火セレモニーには、JRAの藤田菜七子騎手が出席した。
競馬通としてもおなじみの予備校教師、林修氏から聖火を受け取ると、「二人で相談して決めた」という“馬乗りポーズ”を披露。JRAのCMにも出演している最終ランナーの女優・土屋太鳳へと聖火をつないだ。
菜七子騎手は「いつもと同じ東京競馬場だったけど、いつもと違う責任感があった」と話し、「参加されるアスリートの皆さんに負けないくらい、週末の競馬も頑張っていきたい」と本業への意気込みを語っている。
その意気込み通り、先週の福島開催では2勝を挙げた菜七子騎手。17日の最終12Rでノアヴィグラスと共に挙げた勝利は、5月23日のルヴァンノアール以来、実に約2ヶ月ぶりとなる久々の勝利で、自身の連敗を79でストップさせた。
「五輪効果」といっても良いのかもしれない。聖火点灯セレモニーへの参加がいい刺激となったようで、元々得意にしている夏の新潟開催を前に、復調気配と見て良いだろう。
その新潟開催、25日には名物重賞であるアイビスSD(G3)が行われる。
2015年以降、最多11勝の西田雄一郎騎手(現調教師)に次ぐ10勝を挙げ、「千直の女王」でもある菜七子騎手の騎乗馬は未定だが、出走してくればコンビを組む可能性のある馬が1頭いる。昨年の秋にコンビを組み、今回と同じ新潟千直で勝利を挙げているセピアノーツ(牝3歳、美浦・青木孝文厩舎)だ。
その勝利を挙げた20年10月11日の2歳未勝利戦。真ん中やや内目の8番枠からスタートすると、好ダッシュからハナを奪い外ラチ沿いまで持ち出し、一気にゴール板まで駆け抜けた。勝ちタイムは55秒7。これは秋の新潟開催(9月~11月)で行われた2歳の芝1000m戦で2位タイの好タイムだった。
ちなみにトップは01年にカフェボストニアンが出した55秒6。カフェボストニアンは現役時代にOP特別3勝を挙げ、スプリント重賞でも2着が3回ある馬だった。唯一の勝利が千直のセピアノーツも好走が期待できるかもしれない。
今年はフルゲート18頭に対し19頭の登録があったが、セピアノーツに除外の心配はないようだ。管理する青木師は「テンションが上がり過ぎないように、余裕のある調整をしてきた。順調だし、別定51キロで出られるのは大きい」と『スポーツ報知』の取材にコメントしている。
「3歳牝馬は06年のサチノスイーティー以来、アイビスSDでは勝利がありませんが、ここ10年で3頭が馬券に絡んでいます。
セピアノーツはまだ1勝クラスのため自己条件に回る可能性もありますが、千直競馬を得意としている菜七子騎手が騎乗し、さらに外枠を引くことができれば、穴馬候補として一考の余地はあるかもしれません」(競馬記者)
先に述べた東京2020オリンピックの影響もあり、今週から夏の小倉開催は一旦休止。函館・新潟の2場開催となる。そのため例年であれば小倉を主戦としている川田将雅騎手や福永祐一騎手といったトップジョッキー達も新潟競馬に参戦予定だ。
菜七子騎手にとっては例年よりも厳しい夏の戦いとなりそうだ。ぜひオリンピックアスリート達にも負けないファイト溢れる騎乗に期待したい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。