JRA 「重賞より速い勝ち時計」 超ハイペース楽々逃げで重賞馬全妹が鮮烈デビュー! 先週に続きダイワメジャー産駒大物登場!

 31日、函館競馬場で行われた5Rメイクデビュー函館(芝1200m)で、9頭の競走馬がデビューした。勝利を収めたのは、1番人気のソリッドグロウ(牝2歳、美浦・池上昌和厩舎)だった。

 まずまずのスタートから、二の脚でスッと前へ進出すると、掛かり気味の2番人気グランパドゥシャ(牝2歳、美浦・小西一男厩舎)と雁行状態に。2頭が後続をグングン引き離した結果、今年の函館2歳S(G3)より0秒1遅いだけの前半600m33秒8のハイペースでレースは後半へ進んでいく。

 しかし、後半に差し掛かったあたりで2頭のマッチレースに決着がついた。馬なりでソリッドグロウがグランパドゥシャを徐々に引き離していく。そして、4コーナーを回る頃には、ソリッドグロウの独り旅が始まっていた。直線では、鞍上の横山武史騎手のステッキは気合いをつける程度に入れられ、最後は流してゴール。

 圧巻のレース内容に池上師は、「スピードが違いましたね。血統的にもスピードがあると思っていましたし、うまく発揮できて良かったです」と喜びを露にした。

 騎乗した横山武騎手は、「番手でいいと思っていたけど、気が良くてスピードの違いで逃げる形に。無理をして出していったわけではないので、次走も折り合いは大丈夫でしょう」とコメントした。勝ち時計の1分9秒8は、17日に行われた函館2歳Sよりコンマ1秒速い。

 単純な比較となるが、新馬戦の時点で重賞と同等の時計で走ることができるのは高い能力の証明といえる。ましてや函館2歳Sが開催3週目であるのに対し、ソリッドグロウの場合は芝が荒れて時計が掛かる開催5週目。本馬が函館2歳Sに出走していれば十分勝ち負けできるレベルであった可能性は高い。

 ソリッドグロウの血統は、父ダイワメジャー、母ムーングロウだ。昨年の京王杯2歳S(G2)優勝モントライゼの全妹ということで、今後は兄同様、世代の短距離路線を引っ張っていく存在になるかもしれない。

 父ダイワメジャーといえば、トップキャストが先週の新馬戦を2歳レコードにコンマ2秒差で圧勝したばかり。今年で20歳の高齢種牡馬ではあるが、2週続けて大物クラスを送り出しただけに、まだまだ種牡馬引退とはならないかもしれない。

 気になるソリッドグロウについてだが、1度放牧に出され立て直される予定だ。スピードは一級品である一方、「ゲートの駐立が良くないところがあったので、次走はそういうところが課題」と横山武騎手が話しており、まだまだ成長の余地を残す。

 しかし、余地があるということは、更に成長する可能性もあるということだ。ソリッドグロウがこれからどのような馬へ成長するか目が離せない。

(文=寺沢アリマ)

<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。

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