JRA 武豊の兄弟子が「警鐘」鳴らした高速馬場の弊害! 条件戦でもレコード多発の異常さを危惧、アグネスタキオン主戦騎手が指摘した近代競馬の問題点とは
しかし、18年にアーモンドアイがこれを1秒以上も縮める世界レコード2分20秒6で勝利。驚異的なレコードを出したアーモンドアイは見事だが、6着馬までの走破時計がアルカセットの時計より速かったことは、改めて高速馬場への問題を浮かび上がらせた。
また、このレースには前年の愛ダービー馬カプリをはじめ欧州からの実績馬が2頭出走していたが、共に惨敗した。カプリの鞍上R.ムーア騎手は、「とにかく馬場ですね。これだけ時計が速過ぎては、対応できませんでした」と日本特有の異常な高速馬場に敗因を求めていた。
勿論、良好な馬場コンディションは、馬場造園課による努力の賜物ではあるのだが、海外の関係者から日本の特殊な馬場を嫌ってジャパンC参戦を見送る一因ともなっているのではないだろうか。その影響かどうかは不明だが、翌年のジャパンCは史上初となる外国馬出走ゼロともなっている。
国際レースのジャパンCに外国馬の来日が減る一方で、多くの外国人騎手が短期免許を取得して、日本で騎乗するケースは増えている。現在はコロナ禍の状況もあって、自粛ムードが強くなっているが、収束した頃には再び来日するだろう。
馬場の高速化が外国馬をジャパンC参戦から遠ざけ、日本人騎手技量低下と無関係でないとすれば、こういった弊害は一刻も早い対策が求められるのではないか。
(文=寺沢アリマ)
<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。