JRA福永祐一「誰が乗っても勝てた」ほどの実力馬が救世主!? 絶好調の新潟で馬場読みが冴えるも……、「27連敗」2年間未勝利の苦手条件が今後の課題か

 7月の小倉開催では、ご当地騎手である川田将雅や浜中俊を一蹴した福永祐一騎手。単独トップ14勝は、10勝を挙げて2位の松山弘平騎手に大きく差をつけた。

 そんな福永騎手の勢いは函館との2場開催となった新潟でも止まることを知らない。

 先週末も将来性豊かなルージュスティリア(牝2、栗東・藤原英昭厩舎)での新馬勝ちや血統馬サトノウィザード(牡5、美浦・宮田敬介厩舎)をオープン初勝利に導くなど、中身の濃い競馬を続けている。

 レースが始まる前には必ず馬場を歩いて状態などを確認するなど、福永騎手は馬場読みに長けている。今では後輩騎手も彼を見習って、馬場を歩いている姿をよく見かけるようになったという声も関係者から聞こえている。

 加えて、新潟は昔から得意なコース。本人も「偏った傾向になりやすいので、それさえ早めに掴んでしまえばいいからね。1番簡単な競馬場じゃないかな」と豪語しているほど自信を持っているようだ。

 福永騎手曰く、「1、2週目はとにかく前付け、イン伸びの馬場だったからスタートが勝負を分ける事が多かった。サトノだけは内を捌いて来られるタイプじゃないから外を回したけど、それ以外は大体1つのパターンで何とかなった」というのが、新潟の攻略法らしい。

 しかし、新潟を手の内に入れている福永騎手にも大の苦手条件が存在する。

 圧倒的な好成績を収めている芝に対し、ダートでは本人も目を覆いたくなるほどの悲惨な成績なのである。

 2018年9月の未勝利戦をダンスメーカーで勝利したのを最後に、7月31日の1勝クラスをバーデンヴァイラーで勝利するまで27連敗。主要4場といわれる中山、東京、京都、阪神に比べ、トップクラスの騎手がローカルの新潟で騎乗する機会は少ないとはいえ、2年もの間、勝利を手にすることができなかったのは、本人も自覚があったらしい。

「新潟のダートでは2年ぶりに勝ったわ!まぁこの馬は誰が乗っても勝ってたやろな」と福永騎手が評価したバーデンヴァイラー。連敗ストップの救世主は、今後のダート路線でも注目の存在となることは確実だ。

 圧勝ぶりを目にした関係者からは「連闘でレパードS(G3)を使っても勝てるんじゃない?」なんて声も聞かれた。足元の事などもあるので現実的ではないが。実際、特別登録はなし。

 今後も福永騎手は小倉が始まっても新潟に腰を据えて乗る予定とのこと。川田騎手や松山騎手は小倉を予定しているだけに、有力馬を一手に引き受けることになるのではないか。

 ただ、バーデンヴァイラーは9馬身差で大楽勝をしたほどの馬であり、福永騎手も自身の腕で勝たせたとは思っていないだろう。

 新潟ダートの苦手意識は、まだまだ克服したとは言い難い。この勝利をきっかけにダートでも新潟マイスターの地位を確固たるものにしたいところだ。

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