JRA川田将雅が、福永祐一が絶賛した「大器」の今……サトノウィザード&ヴェロックスに課せられた2年越しの命題
この時、最低の8番人気ながら3着と気を吐いたフェアリーポルカは、先週のクイーンS(G3)で4着に好走した実力馬だ。未だ重賞制覇に手が届かないヴェロックスとサトノウィザードを尻目に、すでに中山牝馬S、福島牝馬S(ともにG3)と重賞を2つも勝っている。
また、3着のフェアリーポルカだけでなく、4着ショウリュウイクゾ(日経新春杯(G2))、5着リオンリオン(青葉賞(G2))、6着ロードマイウェイ(チャレンジC(G3))、8着ブラヴァス(新潟記念(G3))と、7着だったキングリスティアを除いてことごとく後に重賞を勝利。
仲間外れになってしまったキングリスティアがいわば“当たり前”の存在で、逆に言えばば、この年の若駒Sは常識を超えた出世レースだったということだ。
しかし、そんな超出世レースでワンツーを決めたヴェロックスとサトノウィザードが、未だ重賞を1つも勝てていないのは、何とも皮肉な話ではないだろうか。
5日、栗東の坂路で行われた小倉記念の1週前追い切りで、ヴェロックスに騎乗した浜中俊騎手は「動きは良かった。だいぶピリッと動けていた」と好評価。今度こその重賞制覇に期待が懸かる。
好メンバーの関越Sを勝ったサトノウィザードと共に、夏競馬を盛り上げてもらいたいヴェロックス。いや、「あの若駒S」でワンツーを決めた2頭なのだから、夏だけと言わず、G1が開催される秋競馬を盛り上げてこその存在であるはずだ。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。