「荒れる理由は湿度?」JRAレパードS(G3)は4年連続10万馬券……ガチガチだったレースはなぜ荒れるレースに変わったのか

 東京オリンピック最終日に行われるJRAの重賞レースは、ともにダートのエルムS(G3)とレパードS(G3)。中でも3歳限定のレパードSは、過去にトランセンド、ミラクルレジェンド、そしてホッコータルマエといったダートの一流馬が勝利したレース。

 そして第1回から第8回までは1~3番人気の馬が勝利するなど、堅い決着が続いていたレースでもあった。

 しかし近年はその傾向がガラッと変わり、ここ4年はすべて1~3番人気が敗退し、5番人気以下の穴馬が勝利。そして4年連続で10万馬券が飛び出すなど、まさに夏を代表する波乱レースとなっているのである。

 なぜレパードSはここまで荒れるレースになったのか、そして今年はどんな結末になるのか分析してみた。

 当初のレパードSは8月の後半で行われていたが、第4回の2012年から今の8月前半の週に移動している。それでも第4~8回までは順当に人気馬が勝利していたが、第9回の2017年は11番人気ローズプリンスダムと12番人気サルサディオーネの決着で馬連は953倍、3連単は80万馬券となった。そこから波乱が続いているのである。

 2016年までと2017年以降でレース自体に大きな変更はない。変わったのは「気候」だ。特に気温ではなく湿度の高さが異常なのである。

 気象庁のデータによると、2016年までのレース当日の気温は30度前後と高いが、湿度は50~60%台で比較的過ごしやすい気候でもあった。しかし2017年以降は湿度が70~80%台とアップしており、人馬に与える影響は無視できないものになっている。

 C.ルメール騎手が、その暑さと湿度に嫌気を起こして新潟遠征を拒み、北海道滞在を望む理由もわかるほど。それは日本人騎手も同様で、一部のトップジョッキーは新潟では騎乗数を減らしているほどだから、かなりキツイ環境といえるだろう。


■レパードS当日15時40分の気温と湿度

2020年 27.8度 83%
2019年 30.2度 75%
2018年 30.5度 72%
2017年 30.7度 70%

2016年 32.4度 59%
2015年 30.4度 64%
2014年 28.9度 66%
2013年 26.7度 67%
2012年 29.9度 63%


 つまり暑さや湿度に強い馬が有利なのは明白。一般的に日差しの強い夏競馬は、熱を吸収しやすい黒い馬体の黒鹿毛馬は不利で、馬体が白く熱を吸収しにくい芦毛馬が有利との格言がある。

 確かに過去4年のレパードSを見てみると、黒鹿毛馬は3着までで未勝利。一方で人気薄の芦毛馬が1勝、白毛馬が1勝となっているのは偶然ではあるまい。

 日曜は台風の影響で気温は30度を超えないものの、現時点で湿度は60~80%の予報となっている。これまでの暑さで疲労の蓄積も懸念される4頭の黒鹿毛馬(レプンカムイ・スマートパルフェ・トモジャリア・タイセイアゲイン)は、割り引いても良さそうだ。逆にここでは、暑さを吸収しにくい芦毛馬や白毛馬、そして鹿毛馬と栗毛馬に注目したい。

 また出走メンバーのレベル低下も影響していそうだ。

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