JRA福永祐一「非常にレベルが高い」ステルヴィオ全妹の満点デビューに大絶賛! 武豊が、川田将雅が、アンカツが「推しメン」今年の2歳牝馬は超ハイレベル!?
新潟のマイル戦で、この日も大物がド派手なデビューを飾った。
8日、新潟競馬場で行われた6R・新馬戦(芝1600m)は、単勝1.4倍に支持された1番人気のステルナティーア(牝2歳、美浦・岩戸孝樹厩舎)が勝利。2018年のマイルCS(G1)の覇者ステルヴィオの全妹が圧巻のデビューを決めた。
15頭立てのレース。好スタートを切ったステルナティーアだったが、無理せず中団から。「気性面が難しい血統と聞いていた」という福永祐一騎手だけに、道中は折り合いに専念している様子だった。
スケールの大きさを見せつけたのは、やはり最後の直線だ。馬なりのまま先頭集団に並びかけると、残り300mを切ったところで満を持してスパート。一気に後続を突き放し、最後まで抵抗した2着レッドアヴァンティに3馬身差とまったく問題にしなかった。
「レース後、福永騎手が『非常にレベルが高い。初戦としては満点』と話していましたが、まさにその通りの走りでした。レース自体の上がり3ハロンが33.3秒という極端な瞬発力になりましたが、ステルナティーアの上がり3ハロンは驚愕の32.7秒。兄のステルヴィオを彷彿とさせる素晴らしい瞬発力だったと思います。
懸念されていた気性面も、福永騎手が上手に乗ったこともあって、この日はまったく問題ありませんでした。これなら、むしろ距離がもっと延びてもやれそうな気がします。順調に行けば、間違いなく来年のクラシックを狙える器だと思いますね」(競馬記者)
新潟1600mのデビュー戦といえば、7日の新馬戦を勝ち上がったフォラブリューテも4馬身差の圧勝だった。同じように中団から最後の直線で末脚を爆発させ、上がり3ハロンこそ33.0秒と、32.7秒のステルナティーアに一歩譲ったが、勝ち時計はこちらの方が1秒速い。鞍上の川田将雅騎手が期待する逸材だ。
「他にも7日に、同じ新潟マイルの未勝利戦を好内容で勝ち上がったルージュラテールは、安藤勝己さんが絶賛していただけに気になる存在です。
また、函館組からも武豊騎手がベタ褒めしているロン、レコードにコンマ2秒差で逃げ切ったトップキャスト、勝ち時計が函館2歳S(G3)よりも速かったソリッドグロウなど、今年の2歳はハイレベルな牝馬が多い印象です。
秋にも評判の有力馬がまだまだデビューを控えていますし、12月の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)を含め、今後の牝馬クラシック戦線が非常に楽しみですね」(同)
「かなりの将来性を感じます」
レース後、そうコメントした福永騎手は終始ステルナティーアを絶賛。全兄のステルヴィオはクラシックに手が届かなかったが、妹はどうか。まずは満点回答の船出となった。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。