JRA C.ルメール「2億9160万円」超良血馬でエフフォ―リアの悪夢を回避!? ルーラーシップやドゥラメンテを出した名牝系も……、近親の不振に漂う不安
15日、札幌競馬場で行われる芝2000mの新馬戦で、ホウオウプレミア(牡2、美浦・奥村武厩舎)がデビューする。
昨年はこのレースより、エフフォーリアが無敗の4連勝で皐月賞(G1)を制覇。ホウオウプレミアの鞍上には、現在リーディングトップを独走するC.ルメール騎手が予定されていることから、陣営の期待は大きいはずだ。
ホウオウプレミアの母であるアドマイヤテンバは、エリザベス女王杯(G1)を連覇したアドマイヤグルーヴの仔で、近親にはルーラーシップ、ドゥラメンテなどのG1馬を輩出。ホウオウプレミア自身もセレクトセールで2億9160万円(税込み)と高額取り引きされた馬であり、その好馬体からも大物感を醸し出している。
ただ、そんなホウオウプレミアに危険な匂いが漂い始めているという。
美浦の南ウッドコースで行われた8月4日(水)の追い切りでは、エイムトゥルー(3歳未勝利馬)一杯の内を0.5秒追走して0.6秒の遅れ。調教とはいえ、一杯に追いながらも未勝利馬に手応えで見劣った。
「確かに良血馬ではあるのですが、調教での動きが一息なんですよね……。過去にデビューした兄弟馬を見ても、アドマイヤローザ、アドマイヤキング、ベルエポックと、それほどの結果が出ていません。血統、馬体ともに素晴らしい馬ですが、現在の状況からは少し不安な面が残りますね……」(競馬記者)
確かに過去の兄弟馬を見ると、初年度産駒のアドマイヤローザは何とか2勝を挙げたが、翌年に産まれたアドマイヤキングは1勝止まり。その後もアドマイヤテンバの仔は2頭誕生したが、1頭は未出走、ベルエポックも2戦して登録抹消と勝利を挙げられていない。
アドマイヤテンバの母であるアドマイヤグルーヴとその子供たちは比較的活躍したが、種牡馬となったドゥラメンテは兎も角、牝系からはその後の活躍馬が皆無。ドゥラメンテを除いて、アドマイヤグルーヴ一族の孫世代からは2勝馬がやっとという状況で、アドマイヤセプターの仔・スカイグルーヴが京成杯(G3)2着、ボージェストの仔であるボーデンがスプリングS(G2)3着と惜しい競馬はしたものの、重賞に手が届いていない。
ホウオウプレミア陣営は『サンスポ』の取材に対し「まだのんびりした感じですが、追い切りでチークピーシズを着けたら効果がありそうでした」と馬具効果に期待するが、果たして結果は出るのだろうか……。
実戦での変わり身に期待したいところだ。
(文=北野なるはや)
<著者プロフィール>
某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。