コパノキッキングの武豊起用に藤田菜七子は崖っぷち!? コンビ解消サウジアラビアで勝たれる屈辱も、再結成が濃厚な裏事情
今年3月に行われたドバイゴールデンシャヒーン(G1)で5着に敗れた後、休養に入っていたコパノキッキング(セ6歳、栗東・村山明厩舎)が、9月1日に佐賀競馬場で行われるサマーチャンピオン(G3)に、武豊騎手とのコンビで挑むことが明らかになった。
コパノキッキングはサウジアラビアで行われた2月のリヤドダートスプリントを優勝。サマーチャンピオンが帰国初戦となる。武豊騎手と1年ぶりのタッグ復活で大いに注目を集めそうだ。
一方で、コンビ復活が持ち越しとなってしまったのが、これまで主戦を任されてきた藤田菜七子騎手だ。
コパノキッキングのコンビはこれまで9戦し、東京盃(G2)とカペラS(G3)の重賞2勝を挙げる活躍。2019年のJBCスプリント(G1)では、僅差の2着に入っており、昨年の同レースでは6着に敗れたものの、勝ち馬とは0秒6差だった。
今年2月、国際騎手招待レース「インターナショナル・ジョッキーズ・チャレンジ」(以下IJC)に参戦するため、サウジアラビアに遠征した菜七子騎手。このIJCの翌日にコパノキッキングがリヤドダートスプリントに出走するため、海外でも継続騎乗を期待する声も多かった。
しかし、このときはコパノキッキングが海外転戦を視野に入れていたため、連続騎乗できる海外ジョッキーを確保するのがベターという小林祥晃オーナーの意向などもあり、乗り替わりとなっている。
とはいえ、声が掛からなかったことは、あまり悲観する必要もないかもしれない。
コパノキッキングは昨年も武豊騎手とのコンビでサマーチャンピオンに出走。1番人気で3着した後、次走の東京盃では菜七子騎手に手綱が戻っている。
これは武豊騎手が人気を裏切ったからではなく、菜七子騎手が夏は新潟をメインに騎乗しているため、サマーチャンピオンに近い小倉を主戦場としている武豊騎手が、話題性も含めた上でワンポイント起用されたという意味もあるだろう。
そして、今年も新潟の菜七子騎手と小倉の武豊騎手と、同じような状況だと考えれば、菜七子騎手とのコンビ復活は十分にありそうだ。昨年のこのレースは武豊騎手がマテラスカイでコパノキッキングは菜七子騎手だった。マテラスカイはまだ健在だけに、3年連続で菜七子&キッキングのJBCスプリント挑戦も見えてくるかもしれない。
今年のサマーチャンピオンはコパノキッキングの他に、前走でかきつばた記念(G3)を制覇したラプタスや、連勝中のピンシャンなどが出走を予定。昨年のリベンジを果たすためにも、コパノキッキングは佐賀で繰り広げられる熱戦に全力投球したいところだ。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。