JRA「ソダシは一切いらない」藤田伸二氏が札幌記念(G2)予想で断言も、45分後「勝っちゃったよ……」。それでも最後は笑みで終わった理由

ソダシ 撮影:Ruriko.I

 22日、札幌競馬場で行われた札幌記念(G2)は、2番人気ソダシ(牝3歳、栗東・須貝尚介厩舎)が勝利。8着に敗れたオークス(G1)からの巻き返しに見事成功した。

「勝っちゃったよ……」

 横綱相撲を見せた白毛の3歳牝馬に対し、そう漏らしたのは元JRA騎手の藤田伸二氏だ。

 藤田氏はこの日、自身のYouTubeチャンネルで約1か月ぶりとなるライブ配信を実施。地元・札幌で行われるスーパーG2の予想を中心に、視聴者の声を拾いながら約1時間にわたってしゃべり尽くした。

 開始早々に藤田氏が言及したのはソダシの取捨についてだった。「今日は、ソダシは一切いらないと思います」と断言し、視聴者を驚かせた。

 そんな藤田氏が本命に挙げたのは絶好枠1枠1番に入った6番人気ステイフーリッシュだった。

「基本的に本命党の藤田氏としては、珍しく穴っぽい馬を軸(本命)に据えたと思います。その後、発表した買い目は、三連複フォーメーションで、ステイフーリッシュを軸に、2列目にラヴズオンリーユーとユーキャンスマイルの2頭を置き、3列目にはマイネルウィルトス、ディアマンミノル、ソダシを除く全頭に流すという15通りでした。2番人気のソダシを軽視するというのが、藤田氏の揺るぎない結論だったのですが……」(競馬誌ライター)

 レースは、スタート直後にバイオスパークが競走を中止する波乱含みの展開。大外枠が懸念されたソダシは好スタートから1コーナーまでにうまく内に切れ込み、2番手の好位を確保した。

 レースが動いたのは59秒9というラップが刻まれた1000mを過ぎたあたり。後方2番手を進んでいたブラストワンピースと岩田康誠騎手が一気に先頭集団にとりついた。これに応戦したのがソダシと吉田隼人騎手だ。逃げたトーラスジェミニを交わして先頭に躍り出ると、外から迫るブラストワンピースに抜かされまいと早仕掛けにも見えるスパートをかけ勝負に打って出た。

 4コーナーを迎えるとブラストワンピースは行き脚が鈍り脱落。ソダシのリードが広がったが、好位にいたペルシアンナイトと中団から脚を伸ばしたラヴズオンリーユーが必死の追撃。最後はラヴズオンリーユーに3/4馬身差まで詰め寄られたが、なんとか先頭でゴールを駆け抜けた。

 一方、自身の本命馬ステイフーリッシュは3コーナー手前で失速。ゴール前でソダシの勝利を確信した藤田氏は唖然とした表情で「勝っちゃったよ」と2度つぶやいた。

 その後は一呼吸置き、藤田氏は「(ソダシを)ちょっと見くびっていたなぁ……」とポツリ。「3コーナー過ぎあたりから康誠にプレッシャーをかけられて、イヤイヤ先頭に立たされての粘り腰だから、レース内容的には強い競馬だった」と勝ち馬を称賛することも忘れなかった。

 軸にしたステイフーリッシュは結局、競走中止に終わり、もちろん馬券的中はならず。しかし、もう一つの重賞・北九州記念(G3)では馬単8100円をしっかり的中させていた。最後は、「今日はプラスかな」と笑みを見せ、この日の配信はお開きとなった。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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