JRA 「ルメールファースト」覆した2頭の結果に大満足!? アーモンドアイも歩んだ「プレミア新馬戦」で圧勝デビュー! イクイノックスとソネットフレーズの可能性
先週29日に行われた新潟2歳S(G3)は、川田将雅騎手騎乗のセリフォスが優勝。C.ルメール騎手が騎乗した、1番人気のアライバルは2着に敗れた。
ただ、それ以上に強かったかもしれないのが、ルメール騎手が土曜日の新馬戦で騎乗した2頭。イクイノックス(牡2歳、美浦・岩戸孝樹厩舎)とソネットフレーズ(牝2歳、美浦・手塚貴久厩舎)だ。
5Rは緩みなく淡々と流れたレースで、イクイノックスが2着に6馬身差をつけての圧勝。6Rは差し届く流れを先行したソネットフレーズが、2着に3馬身半の差をつけて快勝している。
ルメール騎手は、2017年から夏から函館競馬に参戦。暑さは苦手だそうで、毎年この時期になると涼しい北海道に腰を据えて騎乗しているのは有名な話だ。
そんなルメール騎手だが、先週は北海道を離れて土日ともに新潟競馬に参戦。日曜日は重賞である新潟2歳Sが行われたが、土曜日まで新潟競馬場で騎乗したことに理由がなかったとは考えづらい。
昨今は「ルメール騎手に先約があるので……」などというコメントもチラホラみられる「ルメールファースト」の時代。それだけに、ルメール騎手が重賞のない土曜新潟で騎乗した「プレミア新馬戦」の価値は高そうで、それは2頭の走破タイムなどにも大物感がある。
イクイノックスが芝1800m戦で1:47.4、ソネットフレーズも芝1600m戦で1:34.3と好時計で走破。どちらも新潟2歳Sに出走していれば、勝ち負けになっていたかもしれない優秀な時計だ。
というのも、デビュー戦がソネットフレーズと同じ新潟の芝1600m戦だったオタルエバーは、新潟2歳Sでセリフォスから0.3秒差の3着。新馬戦での勝ち時計が1:34.6と、ソネットフレーズの走破タイムよりも0.3秒遅かったからである。
イクイノックスにしてもレースラップの最初の1ハロンが12.8で、それを除けば1600mは1:34.6とオタルエバーと同タイム。もちろん、馬場状態や風の影響などもあり一概に比べられないが、どちらも大きな可能性を感じさせる内容だったことには間違いないだろう。
ルメール騎手の夏の新潟参戦といえば、2017年8月6日(日)の新馬戦。アーモンドアイに騎乗して2着に敗れたものの、その後「9冠女王」へと導いたのは記憶に新しい。
このときは土曜日に札幌競馬場で騎乗しており、日曜日のみ新潟でのレースに参戦。このことからも、日曜の重賞騎乗のついでに土曜日も新潟で騎乗したとは考えづらい。
圧倒的パフォーマンスで、将来性を感じられたソネットフレーズとイクイノックス。ルメール騎手の騎乗した2頭は、来年のクラシック……いや、それ以上の可能性をも秘めているのかもしれない。
(文=北野なるはや)
<著者プロフィール>
某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。