JRA 14年後に「消費税以下」の評価大暴落、ノーザンファームに見切りをつけられた“6億馬”! その産駒が紫苑S(G3)で反撃の狼煙
こうしてノーザンファームを離れることになったディナシーはこの春、受胎していたニューイヤーズデイ産駒を出産。新天地で第二の繁殖生活をスタートさせている。
すでに繁殖牝馬としては高齢といえる15歳を迎え、大逆転劇があるならメイサウザンアワーの活躍しかないだろう。そして紫苑Sで13分の11の抽選を突破すれば、それが現実味を帯びてもおかしくない。
メイサウザンアワーはデビュー2戦目で勝ち上がったあと、昨秋の赤松賞(1勝クラス)でアカイトリノムスメの2着に好走。4月のフローラS(G2)では休み明けながら4着と力を見せた。このとき最後の直線で不利を受けた鞍上の石橋脩騎手は「直線で前が塞がらなければ、2着はあったレース」とあと一歩でオークス(G1)の権利をとれなかった悔しさをにじませた。
5月に1勝クラスを勝利、夏を休養に充て、秋に備えたメイサウザンアワー。そのスタートセンスは抜群で、これまで先行する競馬をしながらも、5戦中4戦で上がり2位以内をマーク。開幕週の中山芝でその先行力を生かすことができれば、春の実績馬相手でもチャンスは十分あるだろう。
6億円から1050万円という屈辱の大暴落を味わった母の逆襲はメイサウザンアワーに懸かっている。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。