JRA金子真人オーナー「独り勝ち」の秋華賞!? サトノレイナス離脱でソダシ&アカイトリノムスメ断然…紫苑S(G3)ではダービー馬の妹が「余裕」の権利獲り
11日、中山競馬場で行われた秋華賞トライアル紫苑S(G3)は、2番人気のファインルージュ(牝3歳、美浦・岩戸孝樹厩舎)が快勝。同世代のライバルたちへ、桜花賞(G1)3着馬の貫録を見せつけた格好となった。
桜花賞2着馬サトノレイナスの骨折による戦線離脱のニュースに揺れる中、春の実績馬が一枚上の強さを見せつけるレースぶり。福永祐一騎手が「中山の急坂もこなしてくれたし、これなら阪神も大丈夫だと思う」と話した通り、サトノレイナスに代わって打倒ソダシの最有力候補の一角に浮上した。
その一方、結果は勝ち馬に完敗だったものの、ある意味「余裕の3着」で底知れない可能性を示したのが、夏の上り馬ミスフィガロ(牝3歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。
18頭のフルゲートで行われた芝2000mのレース。鞍上の津村明秀騎手が「ゲートで立ち上がりそうになりながらも上手く出てくれた」と振り返った通り、ゲートが開く直前には怪しい気配を見せていたミスフィガロだったが、無難なスタート。無理せず、中団後方からの競馬となった。
開幕週の絶好の馬場コンディションで各馬が飛ばす中、前半1000mを59.7秒で通過したレースは縦長の展開に。ミスフィガロが本格的に動き出したのは4コーナーからで、最後の直線を迎えた際は後方12番手と苦しい位置取りだった。
しかし、津村騎手の「開幕週でも大外から伸びてくれた」との言葉通り、鞍上がゴーサインを出すと一気に加速。最後は2着スルーセブンシーズをハナ差まで追い詰め、12番人気の低評価を跳ね返した。
未勝利、1勝クラスを連勝した勢いを感じさせるレース内容だったが、レースを観た記者はそれ以上のスケールを感じたようだ。
「最後も良い脚でしたが、実はゴール前で舌を出していて、まだまだ全力では走っていない様子……。輸送もあったせいかゲート内で暴れるなど、まだ幼い面を見せている中での走りですから、スケール感は十分です。
今後、気性面が成長して来ればレースを完勝したファインルージュや、桜花賞馬のソダシ、オークス馬のユーバーレーベンといった女王を脅かす存在になるかもしれません。あくまで個人的な意見ですが、勝ち馬とは通ったコースの差もありましたし、私はファインルージュよりもミスフィガロの方が楽しみな馬だと思いますね」(競馬記者)
また、ミスフィガロは血統面やバックボーンでもスケール感十分だ。