JRA「金返せ」利用者は怒り心頭!? スプリンターズS、凱旋門賞開催日のグリーンチャンネルで「痛恨」トラブル

 3日、中山競馬場で行われたスプリンターズS(G1)は、福永祐一騎手が騎乗したピクシーナイトが、2着レシステンシアに2馬身差をつけての完勝。3歳馬の勝利は、2007年のアストンマーチャン以来、実に14年ぶり。短距離界に若き新王者が誕生した。

 ただ、ピクシーナイトが快挙を成し遂げた一方で、このレースをグリーンチャンネルWebで観戦していた競馬ファンは怒り心頭だったようだ。

 グリーンチャンネルWebとは、中央競馬全レースをライブ配信するJRA公式の有料動画配信サービス。インターネットに接続可能な環境であれば、手持ちのスマートフォンやタブレット、パソコンなどで視聴が可能だ。

 月額550円(税込)のスマホ会員プランと、同1100円(税込)のマルチ会員プランが用意されており、後者に加入すればコンテンツをフルに利用することができる。仕事のため、土、日は自宅で競馬観戦できない人や、テレビやパソコンを所持していないファンにとっては非常に人気のあるサービスである。

 先月9日には、マルチ会員向けに新サービスを開始。配信チャンネルの追加や、パソコンで最大5チャンネルを同時に視聴できる「複数チャンネルモード」にも対応した。だが、これにより「重くなった」「レース映像が止まる」など、一部の利用者からは不満の声も上がることとなった。

 そんな中で迎えた、秋のG1シリーズ開幕戦のスプリンターズS。

 放送前から危惧されていた通り、グリーンチャンネルWebはレース前から映像の遅延が多発。メインが近づくにつれて段々とサービスは重くなり、肝心のスプリンターズSではレース中に配信映像・音声がストップし、とても満足な視聴が出来ているとは言い難い状況となった。

 問題視されたのは、これが無料のサービスではなく有料であることだ。一部の利用者からはSNSやネットの掲示板で、「これで有料はありえない」「最後の直線で止まって悲しくなった」「金返せ」「解約を検討する」など、サービスに対する不満の声も相次いだ。

「有料コンテンツだけに、視聴者が怒り心頭となるのも無理はないでしょう。グリーンチャンネルWebは同日夜、凱旋門賞(仏G1)も無料で配信しましたが、同じく視聴しづらい状況が続いていたようです。

これから本格的な秋のG1シリーズを迎え、ますます視聴者も増えることと思われるため、早急な解決が望まれます」(競馬誌ライター)

 なお、グリーンチャンネルWebは4日、公式ホームページに今回の視聴障害発生についてのお詫びを掲載。今後は必要な確認などを適切に行い、万全な配信体制を目指していくという。

 ついに開幕した秋のG1戦線。今後は菊花賞や天皇賞・秋といったビッグレースが続いていくだけに、再発防止を願いたいところだ。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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