JRA マヤノトップガン調教師「気性的なものが大きいのかな」 ソダシの敗因は流血騒ぎだけではない!? 「白毛」以外に受け継いだものとは

ソダシ 撮影:Ruriko.I

 17日に阪神競馬場で行われた秋華賞(G1)では、単勝オッズ1.9倍の圧倒的な支持を集めたソダシ(牝3歳、栗東・須貝尚介厩舎)が10着に惨敗。確勝ムードの強かった白毛のアイドルが敗戦したことは、多くの競馬ファンに衝撃を与えた。

 鞍上の吉田隼人騎手は「ポケットを出なかったりゲートになかなか入らなかったりと、競馬を嫌がるそぶりを見せていた。いつもの感じではなかった」と、ソダシの様子について説明している。

 その様子はYouTubeチャンネル『カンテレ競馬【公式】』の『白き桜女王ソダシの牝馬二冠挑戦に完全密着』ではっきりと確認できる。輪乗り地点からゲート裏へ集まるよう集合合図がかかったにもかかわらず、ソダシは1頭だけ地蔵のように動かなかった。

 吉田隼騎手の「ほれ!固まっちゃったよ……。ほら!行くよ!」と、必死の呼びかけにも応じなかったため、結局係員がソダシを引っ張って何とかゲート裏まで行くことができた。

 この様子を見て「精神的に何かある」と、語ったのは坂口正大元調教師だ。現役時代にマヤノトップガンやキングヘイローを管理したことでも知られる名伯楽は、日刊スポーツで連載中のコラムにて、自身の経験をもとに、ソダシの敗因について「気性的なものが大きいのかなと思います」と、推測している。

 馬の気性は持って生まれた性格で、遺伝によるところが大きく、血統的な傾向が多少なりとも見られるとされるのが通説だ。そのため、白毛一族であるソダシの気性も母などの親から受け継いだとしてもおかしくない。

 そしてソダシの母であるブチコは、気難しい性格が原因で引退した経緯がある。真っ白なソダシと異なり斑柄模様の馬体で人気を博したブチコだが、ゲートを嫌がる仕草を現役時代に幾度も見せた。時にはゲートへ突進し、その衝撃で出血し放馬したこともある。

 管理する須貝師は今回の敗因について「歯がグラグラして血が出ていました。それが影響したのでは」と、答えているが、歯から出血する直接の原因はゲート内で暴れた際にぶつけたこととされている。今回の一件もそんな母の現役時代を思い出させるアクシデントだった。

 また、白毛一族好きの競馬ライターからは「元来気性に問題のある馬が多い」という意見もあった。

「毛色の珍しさなどから、白毛の牡馬は基本的に引退すると、誘導馬になるのが既定路線です。ソダシの一族の白毛牡馬も軒並みそうなっています。

ただソダシの叔父にあたるシロクンは気性が悪すぎて、誘導馬に向いていないと判断され乗馬施設へ引き取られました。

一族全ての気性が悪いとは言い切れませんが、気性の悪さが目立つ馬が多い傾向にあると言えます」(競馬ライター)

 坂口氏がコラムにて「母ブチコもゲート難がありましたが、遺伝的に難しい面を抱えることが多いかもしれません」と、述べていることからもその可能性は残されている。

 ソダシが母から白毛と高い競走能力を引き継ぐとともに、一族由来の悪い性格も一緒に継いでしまったとしたら……。次走こそは、難しいところを見せずに、レースを見せてくれるだろうか。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

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