JRA 武豊「素質はありそう。これからが楽しみ」高評価の2歳馬が伝統“出世”レースへ! マカヒキの助手が絶賛するダービー馬との「共通点」
23日の東京競馬場では9RにアイビーS(L)が行われる。昨年にオープンからリステッドへ昇格した2歳戦は、近年出世レースとして有名だ。
過去5年の勝ち馬には、G1・5勝の現役最強牝馬と名高いクロノジェネシス、17年のオークス(G1)などG1を2勝したソウルスターリング、今週末の菊花賞(G1)有力候補のオーソクレースらが名を連ねている。さらに東京芝1400mで施行されていた時代は、G1・4勝のグラスワンダーや地方馬ながらJRA重賞を勝ったネイティヴハートらを勝ち馬として輩出している。
そのような伝統の2歳戦に今年は8頭がスタンバイ。中でも注目の1頭が武豊騎手のドウデュース(牡2歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。
父ハーツクライ、母ダストアンドダイヤモンズ、母の父ヴァンディケイションという血統の2歳牡馬は、9月5日の小倉芝1800mの新馬戦でデビュー。「スピードに乗ってからがいいですね。パワーは十分」と、日本ダービー2勝の名伯楽から高い評価を得た同馬は、ファンからも単勝オッズ1.7倍と同様に高い支持を集める。
レースは8枠13番の大外から。まずまずのスタートを切ると、道中は6番手の位置を確保。そこから徐々にポジションを上げていき、内に3頭がいる雁行状態で4コーナーを回る。
直線では内にいたガイアフォースと一騎討ちに。しかしラスト1ハロンで手前を替えると、またひと伸び。ゴール直前でクビ差出て、激しい追い比べを制した。
鞍上の武騎手は「いいレースができたね。すごく素直で素質はありそう。レース後もケロッとしていたし、これからが楽しみですよ」と、将来を期待するコメント。また2着に敗れたガイアフォースの松山弘平騎手も「勝ち馬が強かった」と、ドウデュースの強さを評価している。
新馬戦の内容を高評価しているのは武騎手だけではない。キーファーズサロンによると同馬を担当する大江祐輔助手は「追い切りも動いていましたし、操縦性の高い馬。まだ緩いところもあり、これからが楽しみです」と、満足そうにデビュー戦を振り返っている。
気になる前走の後についてだが、武騎手の「レース後もケロっとしている」との言葉通り、反動も無く順調に調整が進んでいるようだ。デビュー戦で緩かった馬体について、大江助手は「徐々に解消されてきました。競走馬らしくなっています」と、『スポーツニッポン』の取材で答えている。
今回は小回りで右回りの小倉から左回りの広い東京コースへ替わるが、大江助手に不安の2文字はない。「前走のパフォーマンスを見る限り東京もいいイメージ」と、手応えを感じているようだ。
マカヒキなども担当する大江助手はドウデュースについて「優等生タイプなんですよ。手がかからないですね」と、絶賛している。そんな同助手は16年日本ダービー馬の1番の強みを「賢いところです」と、『netkeiba.com』の取材で回答している。「操縦性の高い馬」と評するドウデュースは似ている部分が少なからずあるのかもしれない。
キーファーズ×武騎手と言えば、現2歳世代ではロンが既にオープン勝ちを果たしている。ドウデュースもロンに続くことができるか注目したい。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……