JRA 「教えて!武豊先生」がまさかの大不評!? 菊花賞の予言的中も福永祐一との違いにファンは拍子抜け?
24日、阪神競馬場で42年ぶりに行われた菊花賞(G1)は横山武史騎手の4番人気タイトルホルダーが後続に5馬身差をつける圧勝で、初のG1勝利を飾った。
タイトルホルダーが記録的な圧勝を成し遂げた一方、55年ぶりの快挙を達成した馬もいた。それが牝馬として1966年の3着ハードイツト以来の3着に入ったディヴァインラヴ(牝3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)だ。
元々菊花賞は予定になかったが、鞍上の福永祐一騎手の進言で追加登録料200万円を払って挑んだ。その結果、約半世紀ぶりの記録を達成するのだから、福永騎手の慧眼に驚かされたファンも多いだろう。
その福永騎手と言えば、最近一部のファンから「福永先生」の愛称で親しまれている。
「先生の由来は福永騎手が、YouTubeチャンネル『カンテレ競馬【公式】』の『教えて!福永祐一先生』という動画に出演しているからです
福永騎手が騎乗するG1レースについて、自身が考えるレースの展開や出走馬の位置取りなどを、コース図や馬名の書かれたマグネットを使って解説する人気コーナーです」(競馬誌ライター)
初回となった今年の天皇賞・春(G1)の解説では、福永騎手が動画で話した通りの展開に。枠順発表前の撮影ながら、予言者の如くズバズバと言い当てており、視聴者から驚きと称賛の声が多数上がることとなった。
大きな反響があった結果、『教えて!福永祐一先生』はシリーズ化され、関連動画も合わせて現在まで7本が公開中。7本全て約30万回再生とヒットしており、直近の「秋華賞編」では41万回再生と好調だ。
そして先週、同チャンネルでお披露目となったのが「教えて!ユタカ先生!」である。動画の正式タイトルは異なるが、動画内では「教えて!ユタカ先生!」という字幕が表示されており、ディープモンスターとのコンビが決まっていた武豊騎手が、福永騎手バージョン同様のセットで菊花賞の解説等を行った。
ファンが多いことで知られる武騎手ということで、再生回数は跳ねると思われたが、現在まで約24万回再生。決して少ないわけではないが、福永騎手の秋華賞編に比べると物足りないと思う声もあるだろう。
さらに同動画のコメント欄には「福永先生も出して」と、福永騎手の出演を望む声もチラホラあったほどだ。満を持して出演したレジェンドジョッキー回が何故ここまでの評価なのだろうか……。
「再生回数が増えないのは、動画のサムネイルに大きく『教えて!ユタカ先生!』の文字がないことが第一に考えられます。『福永先生』の場合サムネイルが工夫されていて、何の動画か分かりやすかったです。
また動画の内容もファンが期待したものと少し離れていました。菊花賞の展開について問われた武騎手は『難しい。僕が教えてほしいぐらい』と、話し、展開についてほとんど触れませんでした。
そのため福永騎手のようにボードなどを用いて武騎手が考える展開を聞きたかったファンとしては、物足りなかったかもしれません」(同)
しかし、武騎手の解説がまったく的外れだったという訳でもない。
阪神内回りの芝3000mについては「内枠有利」と指摘。また騎乗するディープモンスターについては「ロケットスタートを決められるなら逃げてもいい」と、話したように、内でロスなく前々で競馬をした馬が有利と受け取れる。
奇しくもこれは勝ち馬であるタイトルホルダーに合致。加えて武騎手は「外を回したくない」と、発言していたが、実際に外を回した2番人気のステラヴェローチェは僅差の4着に負けている。そういう意味では、武騎手の解説をヒントに予想して的中へ結びつけたファンもいるかもしれない。
今年の平地G1開催は週末の天皇賞・秋を含めてあと9回残っている。福永騎手はコントレイルが控えており、武騎手はロンやドーブネが、G1に出走するようなら今後も配信される可能性も高い。両騎手の勝利はもちろん、的確な新作解説動画にも期待したい。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……