JRA天皇賞・秋“ワケ有り”カレンブーケドールは要割引!? 秋華賞・菊花賞次々的中“新鋭予想家”の格言は再び炸裂するか?
『競馬予想TV!』(フジテレビONE)でもお馴染み、新進気鋭の競馬予想家、キムラヨウヘイ氏の予想が冴えわたっている。
先週の菊花賞(G1)では、4番人気のタイトルホルダーを本命に指名。「菊の舞台に直結するのはダービー実績よりも皐月賞実績」という見解が見事に炸裂した。
その前週の秋華賞(G1)では、「桜花賞(G1)上位勢(ソダシ・ファインルージュ・アカイトリノムスメ)が圧倒的な力で(新興勢力を)制圧する」と断言。本命に推したのは「距離適性面で最も信頼の置ける」という4番人気アカイトリノムスメだった。結果はご存じの通り、1着アカイトリノムスメ、2着ファインルージュのワンツーフィニッシュを決めた。
「キムラ氏は、秋華賞前日の府中牝馬S(G2)でも、4番人気シャドウディーヴァと5番人気アンドラステの決着を的中させていました。2桁着順に沈んだ人気馬2頭(デゼル、マジックキャッスル)を軽視していたのもさすがですね。
『競馬予想TV!』では、ベテラン陣から厳しいツッコミを受けることもありますが、クールに対処している姿が印象的です。理路整然とした説明もわかりやすく、謙虚なところもいいですよね(笑)」(競馬誌ライター)
そんなキムラ氏が構築した予想スタイルの一つがプロファイリングポイントと呼ばれる手法だ。馬・騎手・厩舎などの傾向を基に妙味馬の買い時と人気馬の消し時などを分析している。
本サイトでも、先月の神戸新聞杯(G2)の回顧記事で、キムラ氏の格言を1つ紹介した。それが「藤沢和雄厩舎の馬は、道悪の芝レースではパフォーマンスを落とす」というもの。実際に藤沢和厩舎の馬は芝の道悪成績はサッパリで、キムラ氏のこの格言は競馬ファンにも浸透しつつある。
キムラ氏の代表的なプロファイリングポイントの一つに、名門・国枝栄厩舎に関するものも存在する。国枝厩舎の調教パターンが「(美浦南)Wコース追いは勝負時、坂路追いは何らかのワケ有り時」というものだ。キムラ氏の分析によると、Wコース追い中心の時は好走パターンで、坂路追い中心の時は凡走が多いという。
国枝厩舎のこの格言がドンピシャだったのが2週間前。Wコース追いのアカイトリノムスメと坂路追いのマジックキャッスルで明暗が分かれたのはまさに象徴的だった。
その国枝厩舎が31日の天皇賞・秋(G1)に送り込むのがカレンブーケドール(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。注目の追い切りは坂路主体で、27日の最終追い切りも同様だった。キムラ氏の格言通りなら、カレンブーケドールの調教パターンは「ワケ有り」で、凡走パターンということになる。
実際、国枝師は1週前追い切り後に「爪の状態は春より全然いい」と話していたが、深読みすれば、まだ爪に少なからず不安を抱えている可能性もあると考えられる。調教が坂路主体だったのも合点がいく。
3度のG1・2着を誇るカレンブーケドールだが、コントレイル、グランアレグリア、エフフォーリアの“3強”以上にキムラ氏の格言が大きく立ちはだかることになるかもしれない。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。